【競馬】高次元のフェブラリーS。人気落ちブライトラインが狙い目

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 今年最初のGIが早くも行なわれます。2月23日に開催されるフェブラリーS(東京・ダート1600m)です。

 東京のマイル(1600m)戦は、芝もダートも、スタートしてから3コーナーまでが長い直線。とにかく乗りやすいコースです。騎手としては、望みどおりのポジションが取りやすく、比較的楽な気持ちでレースに臨めますね。例えば、トリッキーな中山の芝マイル戦と比べたら、スタート時のプレッシャーはかなり軽減されます。

 さて、今年のフェブラリーSは、ハイレベルなメンバーが顔をそろえて、とても楽しみなレースになりましたね。昨年は、前の年のジャパンカップダート(阪神・ダート1800m)を制したニホンピロアワーズや、東京大賞典(大井・ダート2000m)を勝ったローマンレジェンド、さらに直前の川崎記念(川崎・ダート2100m)を快勝したハタノヴァンクールなど、地方交流GIを含めたダート主要レースの勝ち馬がことごとく不出走。「ダートのナンバー1決定戦」と呼ぶには寂しいメンバー構成でした。

 それが今年は、昨秋のジャパンカップダート(12月1日)を優勝したベルシャザール(牡6歳)に、東京大賞典(12月29日)と川崎記念(1月29日)を連勝したホッコータルマエ(牡5歳)が参戦。そして、常にGIで好走しているワンダーアキュート(牡8)など、他にも骨のある面々が顔をそろえました。フェブラリーSでこれだけのメンバーがそろうのは久しぶり。非常に見応えのある、面白いレースが堪能できそうです。

 そんな注目の一戦で、最も気になる存在は、ホッコータルマエです。中央でのGI勝利はありませんが、地方交流GI5勝と実績は断然です。

 昨秋のジャパンカップダートでは、ゴール直前で差されて3着。「やはり中央では......」と思われた方が多いかもしれませんが、同レースでは、鞍上の幸英明騎手が相当なプレッシャーを感じているようでした。

 確かに、GIで圧倒的な1番人気の馬に跨(またが)ったときの重圧は相当なものです。しかし、幸騎手にとっては、スティルインラブに騎乗して牝馬三冠のかかった秋華賞(2003年)に臨んだときに比べれば、それほどの重荷ではなかったと思います。にもかかわらず、絶対に勝たなければいけないという"宿命"を背負っているかのような騎乗ぶりでした。

 その結果、3着。内容としては勝ちに等しかったと思いますが、幸騎手がプレッシャーに押し潰されたイメージでしたね。

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