【競馬】ディープブリランテに続く「大物」登場の予感

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 写真提供:パカパカファーム

 続くオープンクラスのダリア賞(8月3日/新潟・芝1400m)では、初戦より直線が短く、追い込むスタイルの馬にとっては不利なコース形態ながらも、勝ったマキャヴィティからクビ差の2着と好走。安定した末脚の持ち主であることを証明した。

 その後、3戦目に新潟2歳S(8月25日/新潟・芝1600m)、4戦目にアルテミスS(11月2日/東京・芝1600m)と重賞に挑戦。それぞれ7着、8着と振るわなかったが、新潟2歳Sは道中力んだシーンが見受けられ、アルテミスSでは馬体重がマイナス14kgと体調面が万全とは言えなかった。ともに、力負けとは言い難い内容で、今後の重賞、さらにはGI戦線での巻き返しが期待される。

 一方、2歳牡馬でパカパカファームの大きな期待を背負っているのが、クラリティシチー(父キングカメハメハ)だ。同馬は8月3日の2歳新馬(新潟・芝1800m)でデビュー。ディープインパクト産駒の評判馬ガリバルディやオリハルコンを蹴散らして、その名をとどろかせた。

 2戦目は、2カ月半の休養を挟んで臨んだいちょうS(10月19日/東京・芝1800m)。出遅れ気味のスタートから、直線では進路が開かず苦しい展開を強いられた。結局、僅差の3着に敗れたが、進路さえうまく確保できていれば、十分に勝ち負けできるレースぶりを披露。素質の高さはうかがえた。

 そして11月16日、GIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)に出走。パカパカファームの代表馬ディープブリランテも勝った出世レースで奮闘したが、惜しくも3着に敗れた。それでも、この世代を代表する評判馬たちを退けて、1着イスラボニータとも差のないレースを見せた。これからの成長次第では、クラシック戦線でも活躍できる存在と言えるだろう。

 パカパカファーム3頭目の勝ち上がりを決めたのは、牡馬のキンシノキセキ(父フジキセキ)。初戦(7月27日/小倉・芝1200m)こそ、のちに重賞(小倉2歳S、デイリー杯2歳S)を連勝したホウライアキコ(父ヨハネスブルグ)の2着に敗れたものの、2戦目(8月18日/小倉・芝1200m)できっちり勝利。3戦目となったオープンのカンナS(9月17日/中山・芝1200m)でも、勝ち馬からコンマ2秒差の2着と好走した。4戦目のかえで賞(10月20日/京都・芝1200m)では1番人気を裏切って9着に沈んだが、短距離路線での活躍が期待できそうだ。

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