【競馬】天皇賞・春の「一強馬」が勝つとき負けるとき (3ページ目)
同様の逆転劇が今年も起こる可能性はあるのか。前出の関西トラックマンが語る。
「舞台となる京都競馬場の外回りは、4コーナーでインが開きやすいことで有名。最短距離となるインコースを突ければ、大外を上がるゴールドシップに対して相当なアドバンテージを得られます。これを狙っている陣営は多いですね。ただし、そうした陣営も、ゴールドシップの仕掛けが遅れたり、過剰に外を回らされたりしない限りは、『そう簡単にはいかない』と考えているようです」
ゴールドシップに余程のロスがなければ、“逆転劇”が起こる可能性は低そうだが、能力的には引けをとらない馬が一頭いる。フェノーメノだ。実際、ゴールドシップと唯一顔を合わせた昨年の日本ダービー(2012年5月27日/東京・芝2400m)では、フェノーメノが先着(フェノーメノ2着、ゴールドシップ5着)。ポテンシャルは遜色ない。
前年の菊花賞を制していたライスシャワーと違って、フェノーメノは、3000mを超えるレース、関西圏への長距離輸送ともに今回が初めての経験。京都競馬場での実績があり、長距離戦(3000m)も2戦2勝のゴールドシップと比べても分が悪いが、うまくインを突いて、ゴールドシップより先に抜け出せれば、チャンスはゼロではない。
はたして、ゴールドシップは、「一強」という評価に応えた過去の名馬と同様の快勝劇を見せられるのか。それとも意外な馬の台頭があるのか。注目の一戦のゲートがまもなく開かれる。
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