長谷部、内田、吉田不在のベストメンバーを考える
ブラジルW杯に挑む日本代表が5月12日に発表される。どんなメンバーが名を連ねるのか注目されるが、心配な材料がある。これまでザックジャパンの主力を務めてきたMF長谷部誠(ニュルンベルク/ドイツ)、DF内田篤人(シャルケ/ドイツ)、DF吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)の負傷の具合だ。順調に回復しているといった報道もあるが、実際のところは、いまだ戦列を離れたまま。W杯開幕まで残り1カ月、彼らは本当にプレイできるのだろうか。もちろん彼らが復帰してくれれば心強いが、長く試合から遠ざかっている彼らに多くのことを望むのは酷である。そこで今回、万が一彼ら3人が復帰できなかった場合、あるいはトップコンディションに至らなかった場合を想定して、日本はどんなメンバーでW杯を戦えばいいのか。日本代表に精通するジャーナリストに、そのベストプランを考えてもらった。
躍進著しい山口蛍(写真手前)が長谷部誠の穴を埋める。欧州"負傷組"の穴をどう埋めるべきか(1)
浅田真樹氏の提案
今年に入り、海外組に相次いだ負傷だが、結論から言えば、穴は埋まる。日本代表の登録メンバー23名を決めるうえでは重要な要素でも、それほど大きな不安材料ではない。
まず、長谷部誠を欠いた場合のボランチだが、現在の調子やプレイスタイルなどから考えて、代役には山口蛍を推したい。昨秋あたりからの調子を見ても、長谷部にケガがなくとも山口起用は十分にあり得た選択肢だと思う。
前線からパスコースを限定し、できるだけ高い位置でボールを奪う組織的なディフェンスを遂行するうえで、山口の中盤でボールを奪い切る能力は非常に有効。昨年から好調を維持しており、長谷部の代役というより、現在の2ボランチの軸は山口だと考えている。
ボール奪取能力に長けた山口と、攻撃の組み立てに長けた選手――遠藤保仁か青山敏弘――を組み合わせるというのが、2ボランチの基本的な考え方だ。
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