「これはやばい」清本美波がゴルフをやめようと思った瞬間 「ティーグランドで手が震え、風の音やカートの動きを異常に気にしちゃう」 (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・構成 text by Yanagawa Yuji

――清本プロにとって、宗健さんはどんなコーチなのでしょうか。

清本 調子が悪くても、スコアが悪くても、「楽しんでやっておいで」と言ってくれます。お父さんなので、相談しやすいし、話しやすい。自分の一番やりやすい感じでゴルフができるのがいいと思います。でも、時々、怖いです。

――父親だからこそ、気づく点もあるのではないですか。

清本 う~ん......、そんなにないかな。

 いや、あるんだよ。山ほどあるんだよ(苦笑)。

photo by Fujioka Masakiphoto by Fujioka Masakiこの記事に関連する写真を見る――誰しもが通る反抗期は清本プロにもありましたか。

清本 どうなのかな?

 今でも反抗期ですよ。

清本 それは、(キャディを務める時に)一方的に番手を押しつけるからでしょ!

 僕は(娘から)「二度とキャディをやらないでくれ」と言われているんです(苦笑)。昨年のプロテスト前までは、キャディとして一緒にラウンドすることが多かったんです。よかれと思って、彼女にアイアンの番手を指示するんです。そこで衝突することが多かった。

 いろんな方にアドバイスを求めると、クラブの番手は打つ本人に決めさせるべきと言われるんですが、彼女はまだ18歳ですから、つい僕のほうが口にしてしまう。

清本 クラブを指示されて、私の考えと違っていると、たとえそれが適した番手だったとしても、モヤモヤしながら打つことになるんです。一番ぶつかったのは、去年の日本女子アマ(地区予選)の時でした。

 あるホールで、私は9番アイアンで打ちたかった。でも、父は「絶対に8番だ」と。言われるがまま8番で打ったら、ピンをオーバーしてノーチャンスのところにつけてしまって。

 すると、父は「おまえにとっては上出来のショットだった。頑張ってパーをとってきて」と。それで「はあ?」ってなって(笑)。

 オーバーしていたことで、自分が間違っていたのかなとは思ったんですけど、僕も引くに引けないじゃないですか。だから「パーをとってこい」と言ったら、ブチきれられました。

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