ゴルフをもっとラクに、楽しくラウンドするために...「お助けルール」の積極的な活用を! (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa

(2)最大スコアが普及しない理由
 最大スコアの採用は、そもそもR&AとUSGAがビギナーに優しいルール作りをしようと考案されたものです。ですから、初心者や女性の多いコンペなどでは、もっと採用すればいいのに......と思います。でも、いまだ最大スコアを採用したコンペに参加したことがありません。

 それは、なぜでしょうか?

 いろいろと説がありますが、まだこのルールがあることを知らない人が多数いるのも事実です。新ルールをチェックしている上級者は結構いるはずですが、「自分には関係ないルールだ」と認識し、広まらないのです。

 ビギナーや女性に対する思いやりは、大事だと思います。「今度、女性(あるいはビギナー)とラウンドするので、このルールを使おう」という人たちが増えれば、最大スコアのルールはより広がっていくと思うんですけど......。

 ゴルフ歴30年ぐらいのベテランでも、年に1回や2回は大叩きするものです。そういう時にも、このルールを採用しておけば、とても助かるんですけどね。

(3)他にもある「お助けルール」
・バンカー内のボールは2打罰で外に出せる
 ボールがバンカーに入って、砂に埋まっていたり、高いアゴがあったりして脱出困難だと思った場合など、2打罰でバンカーの外に出すことができます(※ピンとボールの止まっていた場所を結ぶ後方線上の基点から1クラブレングス以内にドロップできる)。

・ティーイングエリア内でのチョロは無罰
 ベテランはないと思いますが、初心者はティーショットで力んでドライバーを振り回し、前進10センチ......なんてことがあるじゃないですか。そういう場合、今までは周りも見て見ぬフリをして、「もう1回」とか言って打たせてあげていたでしょ。

 それが、新ルールでは正式に認められて、(ティーイングエリア内のチョロであれば)無罰で再度ティーアップして打てるようになったのです。

 他にも、赤杭の中でもソールして打てるようになり、OBでは今までローカルルールであった、ボールを紛失した付近から2打罰(前進4打)で打つことが正式なルールとなりました。以前なら、ティーショットでOBが想定される場合は暫定球を打っていたでしょ。これをしなくてもよくなったんですね。

 ルールがどんどん簡素化されてうれしいのですが、これはいったいどういう動きがあってのことなのでしょうか。

(4)2019年のR&AおよびUSGAのルール改正がすべての始まり
 世界的なアマチュアゴルファー増加のなか、(あくまでも想像ですが)実は日本人に向けてルールを改正した、というのが本音じゃないですかね。

 だって、アメリカのアマチュアは昔から"マリガンルール"によって、朝一番のティーショットをミスした場合は、無罰で打ち直しているでしょ。また、ボールを見失ってもさほど探さず、適当にロストボールを見つけて打ったりしていますからね。

 それに比べて日本のアマチュア、アベレージゴルファーたちは真面目にゴルフをやる風潮が強いです。だから、R&AやUSGAが助け舟を出したんじゃないかと思います。

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