【木村和久連載】ゴルフ場で起こる小さなトラブルの数々...未然に防ぐ手立ても考えてみる (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa

(3)交通事故
 ゴルフ場で交通事故は起きないと思うでしょ? でも、実際は起きるんですよね。

 昔、某ゴルフ場の玄関で来場された方が車を停めていたら、後続の車が突っ込んできました。偶然近くにいたので、その音に驚いて飛んでいくと、運悪く荷物の積み下ろしをしていた人がいたようで、どこかを打って倒れていました。

 すぐに救急車が駆けつけてきましたが、私道での交通事故ということもあって、パトカーは来ませんでした。それで、保険はちゃんともらえたんだろうか、と気になったりして。

 そんな他人の事故を心配するなら自分の心配をしろ、というところですが、まさにそんな事故もどきが自らにも起こりました。実は乗用カートを運転中、"暴走老人"みたいなことをやってしまったのです。

 乗用カートをコースに乗り入れできるコースがありますよね。そこで自分がカートを運転していて、同伴プレーヤーが前から寄ってきたので避けようとしたら、その瞬間、ブレーキとアクセルを踏み間違えてしまって......。

 結果的には事故にはならず、「ちょっとストップ!」くらいのことで済みましたが、1mくらいカートを直進させてしまい、自分ではかなりショックな出来事でした。

 アクセルとブレーキを踏み間違えた老人の事故報道をニュース番組などで見ると、そんなことをするやつがいるのか? なんて思っていましたが、まさか自分がそれに近いことをやらかすとは......。

 ついでながら、ここ数年、自分は車を運転していません。今後、公道で車の運転ができるのだろうか......ものすごく弱気になっています。

(4)打ち込み等のトラブル
 ゴルフ場でよく起きるトラブルが、ボールの打ち込みです。打ち込まれたほうは目の前にボールが飛んでくるわけですからね、これはかなり危険な行為です。一番やってはいけないことです。

 この打ち込み。最近は数が減っているような気がします。これは、新しい世代のゴルファーが事前にスマホなどでゴルフのルール&マナーを勉強しているからだと思います。「打ち込みはいけない」というネット記事を事前に読んでいるから、打ち込みが少ないのでしょう。

 あと、乗用カートに設置されているナビゲーションボードが普及したことも大きいかと。前の組のカートの位置がきちんと把握できるようになって、打ち込みも未然に防げるようになったと思います。

 それに、若者たちはトラブルを避ける傾向にあり、万が一何か起きても、当事者と直接ぶつからず、マーシャルに連絡して解決してもらう。そういう処世術を身につけています。

 さらに言えば、若者たちはコースの渋滞などにも寛容です。「あのコースは慢性的に混んでいて、ハーフ3時間はザラ」といった情報を事前にネットで仕入れているのでしょう。要は、渋滞するのを覚悟のうえでコースに来ているのだと思われます。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る