距離測定器で正確な距離がわかってもスコアが変わらない「謎」に迫る【木村和久連載】 (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa

 だいたい、そこまでしっかり距離を測った挙句、チャックリなんてことも......。"ゴルフあるある"の世界にハマッている人が結構います。

 50ヤード以内こそ、距離感を養う絶好の機会と認識してほしいです。どういうことかというと、こんな実験を聞いたことはないですか?

 まったくゴルフをやったことのない人にゴルフボールを持たせて、30ヤード先のピンに寄せろと言って、ボールを放り投げさせます。すると、これが案外、ワンピン以内に寄ったりするのです。

 つまり、人間が本来持っている距離認識能力というのは、かなり高いのです。

 ということで、50ヤード以内の短い距離は自分の目を信じたほうがいいと思います。あくまで、個人的な意見ですけど。

(5)距離測定器は時間短縮になるのか
 ある調査によると、シングルクラスのトップアマが距離測定器を使ってラウンドした場合、1ラウンドで平均30分弱の時間短縮ができたそうです。というのも、ヤーデージ表を見たり、歩測したりする手間が省けるからなんですね。

 じゃあ、アベレージアマはどうでしょうか? たぶん、大して時間は変わらないと思います。だって、叩き出したら、距離測定器なんか見ないで、ボール探しに忙しいでしょ。

 距離測定器の使用は、ラウンドに余裕のある人には効果があります。片や、ショットに余裕のない人には、単にひと手間加える面倒な所作になりかねません。

(6)距離感から"距離勘"へ
 というわけで、現在自分のゴルフは距離感というか、"距離勘"みたいなものでゴルフを楽しんでいます。今は慣れというか、勝手に体が反応して、だいたいの距離を割り出して、それで適当に打っています。

 これが、自分の"ゴルフコンピューター"が勝手に計算してくれる、と言えばカッコいいのですが、いちいち細かい計算をするのが面倒くさいだけなのかもしれません。

 以前、パターを打つ時はしっかり歩測して、10mの下りだから実際は半分の5mを打つ、なんてことをやっていたのに、今は構えたらサッとパットを打って終わりです。

 それでも、そこそこ寄るようになりました。30年以上ゴルフをやっていれば、何か体に染みついたものがあるのでしょう。

 それで、たまに80台が出れば幸せです。

 ゴルフは難しく考えるとキリがないです。シンプルに、そして楽しく、ストレスを溜めずに、むしろ発散する方向でラウンドしたいものですね。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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