岩井明愛・千怜姉妹の強さを分析。女子ツアーで吹き荒れる「岩井ツインズ旋風」 (2ページ目)

  • 古屋雅章●取材・文 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

 岩井姉妹の強さについて話を聞くと、森口祐子プロはまず、ふたりの資質、性格の違いについて言及した。双子の場合、一卵性双生児はほぼ100%同じ遺伝子情報を持っているが、二卵性双生児の場合、遺伝情報は平均50%同じものを持っていると言われている。岩井姉妹は二卵性双生児ゆえ、性格も資質も決して同一とは言えないわけだ。

 では、ふたりにはどのような違いがあり、それがプロゴルファーのふたりに、どんな影響をもたらしているのだろうか。体型は、明愛が身長161㎝、千怜が身長162㎝。血液型はともにA型だ。最初に姉の明愛について、森口プロが語る。

「岩井姉妹の資質を比べた時、身体能力が高いのは明愛さんのほうかなと思います。彼女の身体能力を紹介する映像は、テレビやインターネットなどで見ることができますが、足が速く、ボールの遠投で見るフォームも本格的。サッカーボールのリフティングも左右の足でこなせます。

 さらに、逆立ちを補助なしで楽々とやってのける姿を見ると、肩の筋力と体幹の強さを感じさせます。バランス感覚の凄さと身体能力の高さは、どんなスポーツをやっても人並み以上にこなせるだろう、とわかるほど。いろんな競技があるなかで、『ゴルフを選んでくれて、ありがとう』と言いたくなってしまいます」

 森口プロによれば、明愛のゴルフのスキルの高さは、こんなシーンからも見て取れるという。

「試合の練習場でショットを打ち始める時、初めに左手一本で、次に右手一本でボールを打ちます。そのあと、逆ハンドグリップでスイングして、続いて10フィンガーグリップで数球打つ。そして、通常のグリップで球を打つんですが、片手で打っている際には片手のショットにはとても見えない。ふつうに(両手で)スイングしているように見えるんです。

 体幹が強く、腕とクラブを(片手でも)コントロールできているのでしょう。実際、試合でも右手一本(のスイング)でチップインしたのを見て、『そりゃ、彼女ならできるわ』と思いましたよ」

 明愛の身体能力の高さは、妹の千怜も認めていて「(明愛は)運動神経が抜群。サッカーでも、野球でも、卓球もバドミントンもすべて、すぐに人並み以上にできてしまう」とテレビのインタビューでコメントしている。

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