米ツアーに挑む西村優菜の決意表明「出場が確定していなくても現地へ。リシャッフルでの『万が一』は考えていない」 (3ページ目)

  • 柳川悠二●取材・構成 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

――その目的は飛距離ですか。あるいは、精度でしょうか。

「(これまでは)横に流れしまう分、手を返して"調子をとる"みたいにしまっていたんですね。すると、一年を戦っているうちに、どうしてもスイングのブレが出てしまうんです。ですから、膝が流れるのを避け、手の返しではなく、体の下の部分で調子をとるようなスイングに改造しています」

――"調子をとる"というのは、どのような感覚なのでしょうか。

「手首でスイングを合わせてしまう、という感じですかね。ミスショットをしてしまった時に、手首の返しでいいショットに誤魔化す、というようなイメージに近いかもしれません。

 手首を返して誤魔化していると、次第に根本的な土台が崩れてしまう。それをなくすために、下(下半身)で調子をとるスイングに改造中です。100%このスイングを身につけられたら、飛距離アップも少しは期待できるんじゃないかと思っています」

――まもなく開幕戦を迎えますが、完成度は今、どの程度でしょうか。

「まだ50%ぐらいですね。今シーズンに間に合わせるために、スイング改造したのではないんです。私のなかに、長期的なレールと短期的レールのふたつのレールを敷いていて、これは長期的な視野に立った時に必要なスイング改造だと思っています。

 もちろん、今シーズンも開幕から頑張りたいですし、大事な試練の年ですから、完成度を高めていかないといけないと思っています」

――さて、いよいよ今季開幕となります。日本で挑む2戦は、いわば国内ツアーの卒業試験みたいなものになるのでしょうか。

「え~ッ!?(笑)。というより、開幕戦って独特の雰囲気と緊張感があるので、楽しみな気持ちと不安な気持ちと......とにかく長期的なレールと短期的なレールのうち、短いほうのレールにうまく乗っていけたらなと思っています」

――最後に、改めて今季の目標を聞かせてください。

「やっぱり、スイングの完成度を上げるというのが具体的な目標のひとつですね。最初の2試合に加えて、(今季も)数試合は国内ツアーにも出たいと思っています。たくさん応援してくださる方がいるので、頑張りたいです」

(おわり)

西村優菜(にしむら・ゆな)
2000年8月4日生まれ。大阪府出身。2019年にプロテストに合格。2020-2021シーズンからツアー本格参戦を果たし、いきなりツアー4勝をマーク。賞金ランキング5位という結果を残す。2022シーズンもツアー2勝を飾って、メルセデスランキング5位、賞金ランキング2位という好成績で終えた。同シーズン終了後、米ツアーの最終予選会に参戦。ツアーのメンバー資格を得て、今季は米ツアーに挑む。身長150cm。血液型O。

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