西村優菜が初めて味わった挫折 涙したQシリーズ後は「燃え尽き症候群みたいになってしまって実は...」 (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・構成 text by Yanagawa Yuji

――現在22歳。米ツアーに挑戦するには、ベストのタイミングだと考えていますか。

「日本の試合もすごくレベルが上がっていて、これ以上ない環境ではあると思うんですけど、いろんな技術を身につけようと思うと、いろんなコースで戦って、さまざまな経験を積んでいくほうが(技術の)引き出しは増えるでしょうし、よりレベルアップできるのではないかな、と。そうしたことも、(昨季の)海外メジャー3試合に出場して痛感しました。

 それと、ぼんやりとした、漠然とした将来的なプランなんですけど、海外メジャーで勝ったあとに再び日本のツアーに戻ってプレーしたい、という目標があります。それを考えると、『今かな』と思いました」

――日本ツアーでの戦いも重要視されているのですね。

「コロナが少し落ち着いてきて、多くのギャラリーの方々が会場に来てくださって、応援していただけるようになりました。これだけのファンが足を運んでくださるのは、日本のツアーだけだと思いますし、そのなかで戦う楽しさがあります。こうした点は、Qシリーズ挑戦を最後まで悩んだ要因のひとつでもありました。

 たとえ日本を離れたとしても、活躍を信じて応援してくださる方がいらっしゃいますから、そういう方々のためにも海外で強くなって、帰国した時にはその姿を多くの方に見ていただきたい、という思いもあります」

――それにしても、Qシリーズ挑戦をギリギリまで悩んでいたとなると、そこに向けての"準備"という面では、かなり急ぎ足になってしまったのではないですか。

「いえ、気持ち的には迷っていましたけど、『準備だけはしておこう』と思って一年を過ごしていましたから、技術的な面での焦りはありませんでした」

――アメリカのQシリーズは、8日間にわたる熾烈なサバイバルレースです。8日間の戦いなんて、初めての経験ですよね。

「はい。(国内ツアー最終戦の)JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップが終わってから、『まだ残り2試合を戦うんだ』という気持ちで渡米しました。

 2020-2021年シーズンではシーズン終盤に体重が減ってしまって、昨季は体力的な面がひとつの課題となっていました。それで(昨季は)夏頃から体重を落とさないように補食を欠かさず、なんとか(体重を)キープして戦うことができました。Qシリーズに臨むうえで、コンディションに不安や問題はありませんでした」

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