今季女子ツアー序盤戦で大躍進の6人。永久シードプロが解析する彼女たちの「強さの秘密」 (6ページ目)

  • 古屋雅章●取材・構成 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

この記事に関連する写真を見る植竹希望(うえたけ・のぞみ)
1998年7月29日生まれ。東京都出身。身長170cm。血液型O型。
ツアー通算1勝。2022年シーズン優勝1回。トップ10入り4回。
メルセデスランキング6位。賞金ランキング5位(獲得賞金3164万3125円)。

「2年前に軽井沢の試合の練習ラウンドで、植竹さんが洋芝の上のボールをスパーンと打ち抜くのを見て、初対面ながら思わず『あなたのアイアンショットのキレはすごいね』と声をかけました。それは、ショートトップからクラブを体に引きつけてくる、パワフルで男性的なスイングでした。

 以来、メールを交換するようになって、いつ優勝するかと見ていたのですが、昨シーズンは住友生命Vitalityレディス 東海クラシックで優勝争いを演じながら、最終ホールで池ポチャ。西村優菜さんとのプレーオフに持ち込めず、ツアー初優勝を逃してしまいました。しかし今季、KKT杯バンテリンレディスでついに初優勝を飾りました。

 最終日の組み合わせを見ると、西村さんと同組の最終組。パット巧者の西村さんに対して、昨年までの植竹さんはパッティングが課題だったので、最終日の前日に私は彼女にこんなメールを送りました。

『私はパットが上手い人と回る時は、相手はバーディーパットを全部入れてくるものだと思ってやっていた。そう覚悟すると、人のスコアは変えられないわけだから、結局は自分でどうにかするしかないと思える。自分を見失わないようにするということが、ゴルフでは一番大事よね』と。

 すると、彼女は優勝会見でこの時のやり取りを披露して、『今日は他の人のスコアは見ず、自分が一打でも減らそうと集中してプレーできたのがよかった』とコメントしてくれました。

 でも、そうじゃないんです。シーズン開幕直後、彼女に『シーズンオフはちゃんと過ごせた?』と聞くと、『パターを滅茶苦茶やりました』と。そう言えるほど、追い込んでやってきたのでしょう。この練習の裏づけがあったから勝てたのです」

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