今季女子ツアー序盤戦で大躍進の6人。永久シードプロが解析する彼女たちの「強さの秘密」 (5ページ目)

  • 古屋雅章●取材・構成 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

この記事に関連する写真を見る菅沼菜々(すがぬま・なな)
2000年2月10日生まれ。東京都出身。身長158cm。血液型AB型。
ツアー通算0勝。2022年シーズン最高位3位タイ。トップ10入り5回。
メルセデスランキング9位。賞金ランキング10位(獲得賞金1923万8458円)。

「昨年、ある試合の帰り際に菅沼さんのお父さんから『(娘は)何を注意したら強くなれますか?』と聞かれ、その時『私は強くないですから』と言ったのですが、それでも熱心にお尋ねになるので、こんな話をしました。

 私は米ツアーのプロテストを受ける時、般若心経を唱えて心が落ちつきました。その内容は、『こだわらない』『偏らない』『囚われない』『広く、広く、もっと広く』といったもので、物事を大局に見ることを覚えたら、気持ちがラクになり、トップ合格を果たせたんですよ、と。

 その後、お父さんはその話を記したものを菅沼さんに見せたらしく、今年のヤマハレディースでお父さんにお会いすると、『娘が(あの言葉に)ハマりましてね』とおっしゃっていました。

 そうしたら、その3週間後のフジサンケイレディスの時、今度は菅沼さん本人から『(試合で)勝つにはどうしたらいいんですか?』って聞かれたんです。その時は、『やっていることは間違っていないのだから、それをやり通す力があれば、そのうち結果はついてくると思うよ』と言いました。

 彼女は、公共交通機関での長時間移動などに対して、激しい恐怖や不安を覚える『広場恐怖症』という症状を抱えていて、ツアーの移動はもっぱらお父さんが運転する車。見た目もアスリートっぽくないというか、可憐な少女という感じで、そういう子が熱い気持ちを持って親子で頑張っているとなれば、応援したくなるものですよね」

5 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る