渋野日向子「ゴルフ人生においても変わってくる」。激動かつ充実していた4日間 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko

 そうやって、悪いところはたくさんありましたけど、パッティングの感じは前回の全米女子オープンの時よりよくなっているので、それが入ってくれれば、もう少しスコアにつながると思います。全米女子オープンの時は打った瞬間から入らんなというのが多かった。それが昨日、ちょっといい感触をつかんで、転がりがよくなった」

 2日目は、予選突破への執念を見せた渋野。上がり2ホールで3つスコアを伸ばして、通算2オーバー、57位タイまで順位を上げて決勝ラウンド進出を決めた。

「(最後の2ホールが)マジでよかった。泣きそうだったもん。(予選通過には)今日はアンダーを出すしかないと思っていたので、なかなかいい流れには来なかったんですけど、最初から攻めるしかないと思っていて。(16番でボギーを打ったあと)17番パー3ではもう(バーディー)取るしかないと思っていたので、あそこでいいショットが打てて、強気のパットでバーディーを決めることができたのは、すごくうれしかった。

(18番パー5では)ティーショットのボールが(目の前の)ディボットに入っていなくてよかった。あれはもう、『神さま~』って思った(笑)。(2打目は)2オンを狙うか、狙うまいか迷ったけど、(予選通過には)最低でもあと2打は必要だと思ったし、そのためにはイーグルを獲りにいかないといけないと思って、果敢に(2オンを)狙いました。

 イーグルパットは、めっちゃ緊張しました。すっげぇ~、心臓がバクバクしていました。セカンドも深呼吸しまくっていたけど、アハハハッ(笑)。最後のパットは、読み切ったというより、もうやけくそ。もう1回やったら、入らないです。

 予選突破? めっちゃホッとした。あと2日間、ゴルフができるっていうのはすごくうれしい。この3カ月のすべてを、最後の2ホールに出し尽くした感じ。これまで、メジャー大会では一打の重みを感じることが多すぎました。それと、最後まで諦めないっていうこと。今日はそれをすごく感じられた。これからのゴルフ人生においても、今日の(最後の)2ホールで(何かが)変わってくるかなと思う」

 3日目は朝から慌ただしい一日となった。帰国準備のために受けた前日のPCR検査で、パートナーを組む藤野圭祐キャディーに陽性反応が出たことによって、試合への出場可否が直前までわからなかったからだ。結局、渋野は無事にプレーできることになったが、キャディーは急きょ地元のローカルキャディーが務めるなど、厳しい状況でのラウンドを強いられることになった。

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