マスターズ出場権を最後に得たハーマンと
「暴言王」のちょっとイイ話

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by PGA TOUR

 WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

 PGAツアーの選手には"人生を変える出来事"というものがある。

 シェルヒューストンオープン(3月31日~4月3日/テキサス州)でツアー初優勝を飾って、今季メジャー初戦となるマスターズ(4月7日~10日/ジョージア州)の出場権を最後の最後で手にしたジム・ハーマン(38歳/アメリカ)にとって、この勝利はまさにそのひとつだろう。 

マスターズの最後の切符を手にしたジム・ハーマンマスターズの最後の切符を手にしたジム・ハーマン そんなハーマンには、過去に今回の優勝にも関わる大きな出来事があった。それは、ある人との出会いである。

 ハーマンは20代の頃、何度挑戦してもPGAツアーの2次予選会を突破できなかった。そのため、当時の彼はフロリダ州のミニツアーを転戦していた。そんなある日、ニュージャージー州の、とあるゴルフコースに勤務していた友人から仕事の誘いがあった。

 そのコースは、トランプ・ナショナルGC。何を隠そう、現在アメリカ大統領選の共和党の候補者として名乗りを挙げている、あのドナルド・トランプ氏が所有するゴルフ場だ。

 ハーマンは、そこでクラブプロとして働くこととなり、しばらくしてトランプ氏と出会った。ふたりはすぐに打ち解けて、その関係はオーナーとクラブプロというものから、たちまち友人へと発展し、ふたりで頻繁にラウンドを楽しむほどの間柄になったという。

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