松山英樹、優勝。スピースも認めた「世界レベル」の勝負強さ

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji

 約4カ月ぶりの日本ツアー参戦となった松山英樹(22歳)が、宮崎県のフェニックスCCで開催されたダンロップフェニックス(11月20日~23日)で優勝し、国内通算6勝目を飾った。

海外勢が強いダンロップフェニックスで日本人7人目の勝者となった松山英樹海外勢が強いダンロップフェニックスで日本人7人目の勝者となった松山英樹 17番のグリーンに立った松山は、トップの岩田寛(33歳)が通算15アンダーに伸ばして、通算13アンダーの自らと2打差開いたことをリーダーボードで確認した。2位に2打差をつけて単独首位(通算14アンダー)で最終日を迎えながら、松山はここまでにひとつスコアを落としていた。

「15番、16番でしょうもないボギーを打ってしまった。(17番は)絶対バーディーが必要な状況で、本当に大事なパッティングでした」

 最終18番が2オン可能なロングホールとはいえ、イーグルを奪える保証などない。優勝へ望みをつなぐ、バーディートライだった。下りのフックラインを読み切った松山は、約5mのパットを見事にねじ込み、小さなガッツポーズを繰り出した。同時に、会場には指笛が鳴り響き、この日一番の歓声が飛んだ。

「久々にイメージどおり打てたパッティングでした」

 続く18番パー5の第2打、さらに大きな歓声が沸き起こる。松山は、残り235ヤードを5番アイアンで渾身のショットを披露。グリーンのカラーながら、ピン奥およそ4mというイーグルチャンスにつけた。

「グリーン左のバンカーに入るか、入らないかのところ。(ボールが)なんとか踏ん張ってくれてよかった。(最後は逆転優勝を決められる)イーグルで終わったら『かっこいいな』とも思ったけど、そう簡単なパットではなかった。打ち過ぎると、傾斜にピンが切ってあるので、返しが難しくなる。プレーオフも想定してイーグルパットを打ちました」

 結局、イーグルは逃したものの、松山は難なくバーディーを奪った。勝負の行方は、通算15アンダーで並んだ岩田とのプレーオフにもつれた。

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