復活の鎌田大地に「ラツィオ退団」の噂 新監督は残留熱望も「何が起こってもおかしくない」

  • フランチェスコ・ピエトレッラ●文 text by Francesco Pietrella(『ガゼッタ・デロ・スポルト』)
  • 利根川晶子●訳 translation by Tonegawa Akiko

 鎌田大地とラツィオの物語は、ページをめくるたびに目まぐるしく状況が変わっている。

 昨年の夏、セルゲイ・ミリンコヴィッチ・サヴィッチ(アル・ヒラル)の後釜としてチームの中心になるべく移籍してきたものの、マウリツィオ・サッリのサッカーになかなかなじめず、早い段階で控えの選手になってしまった。しかしサッリの後任として監督にイゴール・トゥドールが就任すると、今度は一転、ほとんどの試合でフル出場するようになった。リーグ戦のユベントス戦を除いて、その活躍はまだ「輝く」というほどまでには至っていないが、それでも彼のラツィオでの未来に光が灯ったことは確かだ。

サレルニターナ戦にフル出場、勝利に貢献した鎌田大地(ラツィオ)photo by Insidefoto/AFLOサレルニターナ戦にフル出場、勝利に貢献した鎌田大地(ラツィオ)photo by Insidefoto/AFLOこの記事に関連する写真を見る 現在、ラツィオはルイス・アルベルトの退団発言で揺れている。ファンタジスタで背番号10、副キャプテンを務めるルイス・アルベルトだが、トゥドールが就任してからは、鎌田が重用される一方で、絶対的な存在ではなくなった。4月12日のサレルニターナ戦では共存する可能性も感じさせたが、試合後、彼はテレビカメラに向かってはっきりとラツィオを出て行くことを表明した。

「すでにチームとは契約解消の話を進めている。チームの金は他の選手に使ってもらいたい。今後は1ユーロもラツィオからは受け取らない。旅立つ時が来た」

 チームが彼の決心を知ったのは、この発言においてだった。ラツィオのクラウディオ・ロティート会長はこう言っている。

「ルイス・アルベルトは移籍金なしで出て行きたいと言っているが、彼とは4年の契約をしている。まずは金を払ってくれるチームを連れてくることだ」

 現在のラツィオは決して順風満帆とはいえない。2年半にわたりチームを率いていたサッリが監督を辞め、キャプテン、チーロ・インモービレにはすでにかつての輝きはなく、フェリペ・アンデルソンはユベントスにタダで奪われそうだ。昨シーズン、ベストディフェスラインと言われていたマッティア・ザッカーニ、アレッシオ・ロマニョーリ、ニコロ・カサーレは、去年とは比べものにならない悲惨な1年を過ごしている。

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る