リバプール大敗の原因はアジアカップの日本代表と共通 ELで遠藤航は正念場に (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【大逆転のカギはモチベーション】

 遠藤は、もともとカップ戦要員だった。クロップ監督が相手との戦力に差があるELのグループステージに、国内のカップ戦に近いコンセプトで臨んだため、遠藤は結果的にELに育てられたという見方もできる。ベルガモで行なわれるアタランタとの第2戦は借りを返す舞台になる。遠藤にとってこのあたりが行き止まりの地点なのか、それとも、それ以上の舞台で活躍可能なのか。正念場を迎えたといっても言いすぎではない。

 リバプールにとって0-3は、さすがに簡単なスコアではない。だが、5シーズン前(2018-19シーズン)のCL準決勝では、バルセロナを相手に第1戦の0-3から、第2戦で4-3にひっくり返した実績がある。

 当時はバルサが断然、格上だった。リバプールはチャレンジャー精神を全開にして、無欲で戦ったことが奏功した。リバプールはその後、決勝でトッテナム・ホットスパーを破り、14シーズンぶりに欧州一の座に輝いている。それ以前の何年間かは、CLでコンスタントに上位を維持していたわけではない。バルサ戦の大逆転劇は、欧州のトップグループへの復帰を意味する勝利だった。

 ただし、今回の相手アタランタは格下だ。モチベーションをどこに見出すか、難しいところだ。それこそが、ELを戦う現在のリバプールに不足している点だと見る。だが、遠藤にとってはELも晴れ舞台に映るはずだ。折り返しの第2戦では、リバプール大逆転劇の立役者になるつもりぐらいの勢いで奮闘してほしいものである。

 なお、準々決勝第1戦のその他の3試合の結果は、以下の通り。

ミラン 0-1 ローマ
レバークーゼン 2-0 ウエストハム
ベンフィカ 2-1 マルセイユ
(左側がホーム)

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プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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