遠藤航、日本サッカー史上最高位へ リバプールの中心となりELベスト8進出 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【中田英寿、香川真司を越えて】

 ところがELの第1戦、第2戦とも遠藤はスタメンを飾った。第1戦、マンチェスター・シティ戦はともにフルタイム出場を果たしている。さすがに第2戦は、前半を4-1で折り返した時点でベンチに下がったが、出場過多が目立つ。遠藤はケガをするまでの三笘のような、チームにとって絶対に外せない選手になっている。ユルゲン・クロップ監督からの評価は、12月中旬まで信頼を得られず青息吐息だった選手とは思えない爆上がりぶりである。

 1)マンチェスター・シティ、2)バイエルン、3)レアル・マドリード、4)パリ・サンジェルマン、5)リバプール......とは、現在の欧州クラブランキングだが、リバプールが、日本人が所属するクラブのなかでナンバーワンであることは言わずもがなだ。以下、アーセナル(21位/冨安所属)、フェイエノールト(28位/上田綺世所属)、スポルティング(31位/守田所属)、ラツィオ(32位/鎌田所属)、レアル・ソシエダ(38位/久保所属)、AZ(41位/菅原由勢所属)......と続くが、リバプールの断トツぶりは目立つ。

 歴代では、2012-13、2013-14シーズンに香川真司が在籍したマンチェスター・ユナイテッドの当時のランクが5位ないし6位だった。2011-12シーズンに宇佐美貴史が在籍したバイエルンの当時のランクは4位だった。リバプールの5位はそれに劣るが、香川の場合は出場時間が少なかった。宇佐美に至ってはわずか数試合の出場にとどまった。

 その他では、2000-01シーズンに中田英寿が在籍したローマでさえ19位だったので、遠藤にクラブランキングではライバルはいないことになる。

 リバプール対マンチェスター・シティ戦は、言ってみればクラシコのレベルだ。レアル・マドリード対バルセロナの一戦に、日本人選手がチームの中心となるヘソの部分で出場したのと同じことだ。現在の欧州ランクに落とし込めば、むしろリバプール対マンチェスター・シティのほうが格上になるほどだ。

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