リバプール、マンチェスター・C、アーセナルの三つ巴の優勝争いを抜け出すのはどこだ? プレミアリーグの面白すぎる終盤戦を水沼貴史が解説 (2ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【アーセナルの終盤戦に冨安健洋の力が必要】

 アーセナルの冨安健洋は、ケガがちなことも響いて今季はここまで13試合に出場、先発は5試合のみとなっている。アジアカップからチームに戻り、未だベンチ入りも果たせていない状況だ。

 ここからの日程を見て、リーグでの優勝争いはもちろん、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)も考慮すると、アーセナルにとってスカッドの層の厚さは重要になる。冨安には早めに復帰してほしいはずだが、チームはかなり慎重になっている。

 大きなケガではなさそうだが、再発を恐れているのだろう。3月はCLやチェルシー戦、マンチェスター・シティ戦、4月にはブライトン戦やアストン・ビラ戦、トッテナムとのノースロンドンダービーも控えている。このタフな終盤戦に向け、チームは冨安に無理をさせずに、万全な状態でスタンバイさせるために逆算している可能性はある。

 アーセナルは冨安以外にも多くのケガ人が出ているが、チームはCLのポルトとの1stレグに敗れたもののリーグでは直近7試合で7連勝。しかも31得点と攻撃が爆発し、守備においても3失点と絶好調だ。

 ガブリエウ・ジェズスがケガで離脱するなか、トップにはカイ・ハヴァーツやレアンドロ・トロサールが入って機能し、ウイングのガブリエウ・マルティネッリが復調、ブカヨ・サカは鉄板だ。新加入のデクラン・ライスはもはや攻守に欠かせない選手となった。

 そのなかでもキャプテンのマルティン・ウーデゴールのパフォーマンスは凄まじい。彼のアイデア、テクニック、絶え間ないプレッシングは強烈で、好調なチームをそのパフォーマンスとリーダーシップで牽引している。

 そんなチームにあっても、終盤の優勝争いで冨安の力が必要な場面は必ず訪れる。少しでも早くコンディションが整うことを願うが、3月下旬には日本代表としても北朝鮮とのW杯予選が控え、日本にとっても欠かせない戦力であることは言うまでもない。

 冨安としては昨季、終盤の重要な時期にケガをして出られなかった悔しさもあるだろう。代表とアーセナルでの活動でどのようにコンディションを整え、合わせていくのか注目したい。

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