《独占》岡崎慎司が語っていた「引退」 自身の引き際は「ヨーロッパでボロボロになるまで...これがボロボロっていうことか」 (3ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

── そうなんですか。

「監督が試合で僕を使う時は、けっこう限定的なんですよね。うちのチームは早い時間帯しか押し込む状態がないんだけど、そういう時間帯には使われない。でも、監督はとってもいい人で、これまでにないくらいコミュニケーションを取ってくれる。いろいろ言ってくれるので、今の自分の立ち位置もはっきりとわかる。ただ、それを笑顔で言ってくるので、笑顔で地獄に突き落とされる感じですけど(笑)。

 ケガをした経験と、監督とのコミュニケーションがあってからですかね、ヨーロッパで指導者になりたいと思うようになったのは。選手でやり残したことをコーチや指導者になってヨーロッパで実現できたら......という気持ちになったかな」

── 岡崎選手と一緒にプレーしてきた選手も少しずつ引退し始めています。寂しさを感じたりしますか?

「いや、僕は正直に言うとそういう感情が一切なくて......。引退前に悩んでいる人に関しては『なんで早く辞めないのかな』って思うことも多々あります」

── ひどいです(笑)。

「怒られるかもしれないけど、小野伸二さんとかはもっと早く辞めて指導者になったほうが絶対いいのに、すごくいい指導者になりそうなのに......って勝手に思っていました(笑)。

 だけど、自分もそうですけど、人には人のタイミングがありますよね。現役をやりきって、やっと次に行ける状況になったから、その準備みたいなものに時間がかかっているのかなと。だから......けっこう僕はひどい人間なんですよ(笑)」

── ご自身の引退に関してはどう考えています?

「引退することに対しても、けっこうあっさりはしているんですよ。今日の話のように、僕はいろいろと考えちゃうタイプじゃないですか。でも、一度引退を決めてしまったら、先に行動しちゃうんです。だから、奥さんに怒られるんですよ、周りのことを考えて今を生きてほしいって(笑)」

── 考えて、考えて......そして決めたら即実行、というのは岡崎選手らしいですね。

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