久保建英は右ウイングが最適 スペイン人記者がレアル・ソシエダで輝く理由を分析 (3ページ目)

  • イケル・カスターニョ・カベージョ●取材・文 text by Iker Castaño Cabello

【周囲のサポートも重要】

 ドリブル、突破力、電光石火の動きを大きな武器とする久保のようなタイプの選手にとって、スペースのあるアウトサイドで試合をスタートできる恩恵は計り知れず、インサイドからよりもチャンスを作り出しやすいのだ。

 右サイドを起点とすることで攻撃に何度も絡み、相手DFと対峙しながらゴールライン際に到達し、クロスをあげるのが容易になっている。また、左利きの久保にとっては中に切れ込むプレーが一番やりやすく、カットインしてシュートを狙い、最後の局面で味方に決定的なパスも出せている。

 ラ・レアルが今季ここまで3大会を戦い続けている要因に、久保のポジションが右ウイングである点が関係しているのは間違いない。そこでプレーすることによって久保の長所がより引き出され、相手にとって昨季以上に脅威となっている。サイドアタッカーながらすでに7ゴールを決めており、昨季の9ゴールを上回るのはほぼ確実だ。

 久保には周囲のサポートが重要だということを前述したが、今季はサイドバックのアマリ・トラオレ、インサイドハーフのブライス・メンデスとともに右サイドを形成している。特にこのふたりがピッチを動き回ってハードワークすることで、久保はサイドに大きく開いてボールを受けやすくなり、外から中に向かって相手サイドバックと対峙できる有利な状況が作られている。

 彼はここサン・セバスティアンで自分の才能を存分に発揮できる居場所を見つけ、選手として大きく成長し、スペインだけでなく、ヨーロッパのトッププレーヤーの仲間入りを果たすところまで来ているのだ。

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