久保建英のビッグクラブ移籍はなくなったのか ソシエダと契約更新のメリットとは? (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【PSG戦ではマークを外すミスもあったが...】

 敵地で2-0と敗れたPSG戦後、久保はよくも悪くも話題の中心になった。

「先制点は自分のせい」

 久保自身はひとつのプレーを自己批判した。後半、相手に与えたCKの際、SBのアマリ・トラオレがケガで一時的にピッチを出た間、久保はエムバペのマークにつくことになったのだが、味方がヘディングで競り勝ったと思ってセカンドボールへアクションを仕掛けたところ、ヘディングを流されて、結果的にマークを外したエムバペに先制ゴールを決められたのだ。

 確かに失点につながるミスだったが、現地ではほとんど批判を受けていない。なぜなら、久保はアタッカーとして確実にPSGを脅かしていたからだ。

 対面したブラジルU-20代表の左サイドバック、ルーカス・ベラルドをきりきり舞いさせた。自らから切り込んでの左足シュートも際どかった。縦の突破で抜き去って右足で折り返し、好機を演出。ダブルチームできたポルトガル代表ダニーロ・ペレイラのマークを外し、左足クロスをアンドレ・シルバの頭に合わせた。右で幅を取って敵を引きつけ、中に展開したボールをミケル・メリーノがミドルで狙う場面もあった。終了間際には、ポルトガル代表ヴィチーニャを股抜きするパスで完璧なお膳立てをしたが、ジョン・パチェコのシュートはバーの上を超えた。

「タケは、ベラルドを1対1で好きなように躍らせていた。ただ、そのアドバンテージのわりには(得点に)直結させられなかった」

 スペイン大手スポーツ紙『エル・ムンド・デポルティーボ』の評価は公平なものだった。

「判断が悪く、ボールロストは24回と多かったし、パス成功率も64%と低い。しかし、(アンドレ・)シルバへのクロスはすばらしかったし、パチェコへのラストパスも同様で、脅威を与えていた。エムバペのゴールではマークを見失ってしまったし、(ダニーロに代わって)リュカ・エルナンデスが交代で出てからは抑えられた印象はある。ただ、カタールでのアジアカップから休まずにプレーしているわけで、仕方がない面はあるだろう。アンデル・バレネチェアの左サイドが機能していなかっただけに......」

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