久保建英のカウンターがPSG撃破のカギ CLベスト8進出へ「右サイドからの攻撃」が突破口となる (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【今のPSGには経験を生かせる人材が少ない】

 一般的には、FWネイマール(現アル・ヒラル)やFWリオネル・メッシ(現インテル・マイアミ)ら大物が勢ぞろいして来日した"新銀河系軍団"のイメージが強く残っているかもしれない。だが、この2シーズンで新陳代謝が進行。将来有望な若手を中心に補強を展開する一方で、昨夏にはメッシやDFセルヒオ・ラモス(現セビージャ)をはじめ、6シーズンにわたってチームの中軸を担ったネイマールも手放した。

 たとえば昨夏に獲得した新戦力を見ても、計算できる即戦力はDFリュカ・エルナンデス(28歳)、DFミラン・シュクリニアル(29歳)、FWウスマン・デンベレ(26歳)、FWマルコ・アセンシオ(28歳)で、そのほかはMFマヌエル・ウガルテ(22歳)、MFイ・ガンイン(22歳)、FWランダル・コロ・ムアニ(25歳)、FWブラッドリー・バルコラ(21歳)、ゴンサロ・ラモス(22歳/ローン)といった若い面々。今冬も、ブラジル人のDFルーカス・ベラウド(20歳)とMFガブリエウ・モスカルド(18歳/今夏に合流予定)を青田買いした。

 今季これまで出場時間が多いほうの選手のなかで、30歳以上はCBとしてプレーするMFダニーロ・ペレイラ(32歳)のみ。20代前半から半ばの選手を中心に新しいチーム作りが進められており、その点では過去11シーズンのCLにおける経験値を生かせるような陣容ではない。

 事実、今シーズンのグループステージではニューカッスルに1度も勝てず、終わってみれば2勝2分け2敗。何とか2位通過を果たしたが、その苦戦ぶりはチームの実状を如実に示していた。つまり、経験がモノを言うCL決勝トーナメントの戦いではあるが、10年ぶりのCL参戦となったラ・レアルと大差はないと見ていいだろう。

 そんななか、カタールW杯でスペイン代表を率いたルイス・エンリケ監督が開幕前から浸透させようとしているのが、ポゼッションスタイルだ。

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