久保建英のレアル・ソシエダがエムバペを抑える心強いデータありとスペイン人記者 CLの大一番はどうなるか?

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●取材・文 text by Unai Valverde Ricón

日本代表がアジアカップを準々決勝で敗退した後、久保建英はすぐさまスペインへ帰還し8試合ぶりにチームに復帰。それ以降の公式戦2試合に出場し、見せ場を何度か作ったものの、結果につながらないままチャンピオンズリーグの決勝トーナメントを迎えている。今回はスペイン紙『ムンド・デポルティボ』でレアル・ソシエダの番記者を務めるウナイ・バルベルデ・リコン氏に、パリ・サンジェルマンとの大一番について展望してもらった。

【久保不在の期間を耐えたラ・レアル】

 レアル・ソシエダにとって2024年の幕開けは、"久保建英、アマリ・トラオレ、ウマル・サディクを代表戦で欠く" という悪いニュースから始まった。

久保建英はCL大一番パリ・サンジェルマン戦での活躍が期待されている photo by Nakashima Daisuke久保建英はCL大一番パリ・サンジェルマン戦での活躍が期待されている photo by Nakashima Daisukeこの記事に関連する写真を見る ナイジェリア代表のサディクはケガの影響でアフリカ選手権前に戻ってきたが、そのパフォーマンスの悪さにより、不在が大きく影響することはなかった。マリ代表のトラオレが欠場した右サイドバックは、突如現れたBチーム所属のジョン・ミケル・アランブルによってうまくカバーされたが、久保の代わりは...誰もいなかった。

 2024年スタート時のラ・レアルの状況は次のように総括できる。出場時間の蓄積による疲労が顕著に表れ、フィジカル面に問題を抱える選手が続出。チームはほぼすべての試合において非常に凡庸なプレーしか見せられず、ゴールと勝利が少なかった。失点と敗戦も少なかったとはいえ、ラ・レアルが酷い状態だったのは間違いない。

 そのためサポーターは久保やトラオレ、それぞれの国民に多大な敬意を払っているものの、皆が両国の早期敗退を強く願っていた。サポーターにとっては、彼らがチームの緊急事態に対処してくれるほうがより重要だったのだ。

 実際、ドノスティア(※バスク語でサン・セバスティアンのこと)の人々は、久保が日本代表で先発だったのか控えだったのか、その出来が良かったのか悪かったのかよりも、日本が勝ったかどうか、その結果を大いに気にしていた。

 イマノル・アルグアシル監督は負傷者続出とサイドアタッカー不足という緊急事態に対応するため、普段の4-3-3から何試合かはウイングを配置しない5-3-2へのシステム変更を余儀なくされた。

 攻撃面はあまり機能しなかったが、堅固な守備を実現したことで、苦しい1月をなんとか乗りきったのだ。実際にラ・レアルは、久保不在の公式戦7試合中5試合でクリーンシートを達成していた。

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