日本代表にも一因? 世界がアジアカップへの興味を急速に失いつつある理由 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 ベスト16にタジキスタン、ヨルダン、インドネシア、パレスチナが入ったのは驚きだが、それだけだ。バルサの危機、スペインで起きた人種差別、ユルゲン・クロップ(リバプール)の退陣など、欧州のサッカー界で次々と起こる事件や移籍関連のニュースにかき消されてしまった。今、アジアカップを思い出すのは、自分のチームのエースが大会に出場しているサポーターだけだろう。「早く帰ってこないかな」と。

 アジアカップの雰囲気は、決勝トーナメントに入れば変わるかもしれない。これからは手に汗を握る試合が続くかもしれない。熱いアジアのサッカーが味わえるかもしれない。だが、世界の人々はすでに背を向けてしまった。その関心を取り戻すのは、大会前に関心を持たせるのよりもずっと難しい。

 世界にアジアのサッカーを知らしめる歴史的な大会になったかもしれないのに、残念なことである。

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