大久保嘉人が対戦して嫌だったDF5人を語る「すね当てが半分に割れた」「一番イライラさせられた」相手とは? (3ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【プロの洗礼を浴びせられた】

3位:前田浩二(元横浜フリューゲルス、アビスパ福岡ほか)

 前田浩二さんのアビスパ福岡時代に初めて対戦しました。その頃は僕がまだ18、9歳の頃ですね。バチバチにやり合っていました。

 よく覚えているのが、浩二さんは僕がまだ若いことを知っているので、いろんなことを言ってくるんですよ。「お前それでいいのか?」「日本代表になりたいんじゃないのか?」とか。そう言われて18歳の僕は「うるせえな、まず俺のボール取ってみろよ」と思っていましたね。

 でも「あそこ空いてるぞ」なんて言われると、経験のないこっちはすぐそういうのに乗せられて行ってしまって、案の定相手の思うつぼで全部取られてしまっていました。昔の人はそういうのがうまかったですね。

 そうやって言葉でこっちをイラつかせるだけじゃなくて、プロの洗礼を浴びせるために思いっきり削ってもきましたね。当時、血気盛んでイケイケだった僕でも、それをやられて「うわ、この人本当に嫌だな」となりました。

 プロに入ってまだ1年目、もちろん高校サッカーでそんなことをしてくる人なんていなかった。口でいろいろ言われるだけなら「おっさんがなんか言ってるな」くらいだったんですけど、ガツっと削られた時は初めて怖くなりましたね。

 浩二さんには大人のサッカーを教えられました。

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