大久保嘉人が対戦して嫌だったDF5人を語る「すね当てが半分に割れた」「一番イライラさせられた」相手とは? (2ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【一番イライラさせられた】

4位:イリアン・ストヤノフ(元ジェフユナイテッド千葉、サンフレッチェ広島ほか)

 ストヤノフは彼がサンフレッチェ広島時代に対戦したんですけど、一番イライラさせられて、一番やり合った選手でしたね。

 DFとしてはあまりゴツくもなくて、スラっとしていて、スピードはなかった。でもその分、プジョルのように駆け引きがうまいんですよね。

 彼がボールを持った時に僕がプレスをかけにいったら、スッとドリブルで持ち上がって逆を取られてかわされたんですよ。その時に「あ、この人はサッカー知っているな」と思いました。そのあとも簡単には蹴らずに、うまく味方につなげるだけの足元の技術もある。

 こっちがボールを持ったら一発目に削る。一発目はなかなか主審もイエローカードを出さないと、わかっているんですよね。それで最初にドーンと削ってこられると、FWはまた来るんじゃないかと怖くなる。それでビビってトラップをミスすることが多かったです。

 性格的にも激しくて、ガンガン来るし、相手をイライラさせるやり方も知っているんですよ。当時、彼は日本語を話せなかったんですけど、口でも結構言い合っていましたね。経験もあるので、ついこっちも乗せられてしまうことは多かったです。

 ただ、こっちもやられる前に削りに行くこともあったし、そこはどっちが先にやるかという駆け引きもありました。日本人選手でそういうことができる人はなかなかいないので、本当に嫌なDFでした。

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