「久保建英はラ・レアルにおける魔法だ」スペイン人記者がアジア杯での不在に嘆き「その影響力はゴールやアシストの枠を超えている」 (4ページ目)

  • ロベルト・ラマホ●取材・文 text by Roberto Ramajo

【久保へのタックルも心配だ】

 ラ・レアルはアラベスと引き分けて新年の幕を開け、激しいタックルを受けていることに怒りを露わにした久保の発言はスペイン国内で多くの物議を醸し出したが、彼のその訴えは正しいと言える。

 なぜなら久保はラ・リーガで3番目にイエローカードを誘発し、6番目に多くドリブルを仕掛けている選手だからだ。

 しかしケガぎりぎりのタックルを再三にわたって受けている。カディス戦では重傷を負う可能性があったし、アラベス戦では足を引きずりながら交代した(※その後の検査で左足大腿四頭筋負傷と診断されるも深刻なものではなく、アジアカップに臨む日本代表に合流)。「彼を守るのか」、それとも「本当にケガをするのか」という状況にまでなっているのだ。

 実際に久保が負傷してしまった場合、私たちは大いに頭を抱えることになるだろう。だからこそ選手のクオリティーを守らなければいけない。久保はその高いクオリティーを備えた、観衆にとって本当に価値ある選手だ。実際、アラベス戦でもクロスバーを震わせるような個人技を発揮してラ・レアルの攻撃をリードし、相手は彼をファウルでしか止めることができなかった。

 久保のプレーを見ていると、彼のいない今後1カ月間の日常が非常に厳しいものになると思わずにはいられない――。
(髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)

プロフィール

  • 高橋智行

    高橋智行 (たかはし・ともゆき)

    茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、リーガ・エスパニョーラを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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