「久保建英はラ・レアルにおける魔法だ」スペイン人記者がアジア杯での不在に嘆き「その影響力はゴールやアシストの枠を超えている」 (3ページ目)

  • ロベルト・ラマホ●取材・文 text by Roberto Ramajo

【誰が久保の穴を埋めるのか】

 そのためラ・レアルは他の武器を用いなければならないが、その観点からまず言わなければならないのは、アンデル・バレネチェアが本調子に戻るのが不可欠だということだ。

 地元出身のこの選手はチーム内で最も久保に似た選手。久保不在による物足りなさを感じさせないためにも、ラ・レアルはバレネチェアのドリブルやイマジネーションに頼る必要があるし、彼はより多くの責任を負わなければならない。

 バレネチェアは左サイドでプレーする選手のため、久保の純粋な代役にはならないが、誰が久保のポジションでプレーできるかというのと、誰がチームのなかで久保の役割を担えるかというのはまったく別の話だ。

 誰がその穴を埋めるのか? 特徴から言えば、それはモハメド=アリ・チョーであるはずだが、この若きフランス人ウインガーは今季ほとんど試合に出ていない。久保の代わりを務めるためには、大きく成長する必要がある。

 その他、すでにトップチームデビューを果たしているアルベルト・ダディエやジョン・マグナセライアといった若手をBチームから連れてくるという選択肢もあるが、それは絶望的な状況での一時しのぎにしかならないだろう。

 イマノル監督が最も使いそうなオプションで私が気に入っているのは、ミケル・オヤルサバルを右サイドに置き、アンドレ・シウバをセンターフォワードに据えるというものだ。どのポジションにも適応できるラ・レアルのキャプテンは今季、イマノル監督が久保を温存したいくつかの重要な試合ですでにそのポジションでプレーしている。その可能性は決して低くなく、個人的には一番いいと思っている。

 グラナダ時代、サイドで際立つパフォーマンスを見せていたカルロス・フェルナンデスがそのポジションでプレーすることも考えられるが、ラ・レアルでは一度もそこで起用されていない。

 これらすべてのことで明らかになっているように、ラ・レアルには久保のような選手は他に存在しない。その代役を務めるのは簡単ではなく、彼の不在時、そのことが顕著に表れている。そのためラ・レアルがパリ・サンジェルマンとの大一番(チャンピオンズリーグ・ラウンド16第1戦、2月14日)をいい形で迎えるのは容易ではないだろう。

 しかしパリでの初戦に向け、久保をメンバーに加えることができると思うし、彼は休むのではなくアジアカップを戦い終えて戻ってくるので、良好なコンディションでその一戦に臨めるはずだ。それはラ・レアルがチャンピオンズリーグを勝ち進む可能性をより高めてくれるものとなる。

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