三笘薫vs冨安健洋「最強の矛と盾」が対決したらどちらが勝つ? 鄭大世が考察 (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【プレミアで当たり前に活躍。信じられない時代に】

 実際の試合ではブライトンのビルドアップに対して、アーセナルは前から積極的にプレスをかけにいくと思いますが、それに対してボールを回してなかなかうまく剥がせないのが、今のブライトンなんですよね。

 とくにここ数試合は"カイセドロス"を感じています(※モイセス・カイセド/今季チェルシーへ移籍)。パスカル・グロスがアンカーの位置まで下がってようやくボールが回るという状態で、ビリー・ギルモアやカルロス・バラバは頑張っているけど苦戦しています。マフムド・ダフードは第12節のシェフィールド・ユナイテッド戦での一発退場で3試合出場停止中でした。

 今の調子のブライトンでは、アーセナルのハイプレスをくぐり抜けて前進するのにかなり苦戦すると思います。そうなると三笘選手は後ろ向きでもらってボールを戻すことしかできない感じになり、良い形でもらうというのは難しくなるかもしれないですね。ギルモアが前を向けて、三笘選手にいいパスが出てくればチャンスはあると思います。

 ふたりの日本人選手がプレミアリーグで当たり前のように試合に出て、マッチアップするかもしれないという話になるのは、改めて信じられない時代になりましたよね。

 今季はお互いに先発で90分のなかでの勝負が見られると思ったんですが、それは次回以降の対戦の楽しみにしたいと思います。

鄭大世 
チョン・テセ/1984年3月2日生まれ。愛知県名古屋市出身。朝鮮大学校から2006年に川崎フロンターレに入団し、FWとして活躍。2010年からはドイツへ渡り、ボーフム、ケルンでプレー。その後韓国の水原三星、清水エスパルス、アルビレックス新潟、FC町田ゼルビアで活躍し、2022年シーズンを最後に現役を引退した。北朝鮮代表として2010年南アフリカW杯に出場している。J1通算181試合出場65得点、J2通算130試合出場46得点。

プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る