三笘薫vs冨安健洋「最強の矛と盾」が対決したらどちらが勝つ? 鄭大世が考察 (2ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【冨安健洋は監督からの信頼がどんどん上がっていた】

 冨安健洋選手は、先日の日本代表戦の時に初めて会ったんですけど、めちゃくちゃかっこよかったですね。侍のように険しく精悍な表情で、アーセナルという競争の激しい欧州トップクラブにいる自負心をすごく感じ取りました。

 僕らはアーセナルと契約しているだけで信じられないレベルですけど、彼自身からすれば昨季や今季の序盤戦は消化不良だったと思います。信頼はされているけれど、彼自身が望んでいるような出場時間は与えられていなかったと思うんですよ。

 でも最近はついにベン・ホワイトやアレクサンドル・ジンチェンコのケガなどをきっかけに出場機会が増えることになってきましたよね。とくにここ数試合でミケル・アルテタ監督からの信頼はどんどん上がってきていたと思います。

 以前までは、守備は相変わらずスライドは絶対にサボらないし、1対1の対人ではめっぽう強い。でも攻撃時にボールを高い位置で受けても出しどころがなくて迷っている感じがありました。それが最近は、立ち位置やパスの部分でも質が上がってきました。

 攻撃のところで効果的なパスが出せて、結果までついてきたら左サイドバックは攻撃時に強みのあるジンチェンコでなくてもいいとなりますよね。ただ、これはシーズンのなかでも流れがあって、監督のなかで「今どの選手がどの選手よりも上」という序列は、ずっと入れ替わるんですよ。

 昨季は絶対的なジンチェンコだったけれど、今季は冨安選手も併用しつつという起用になっています。そこはいろんな状況が巡り巡ってそうなっているわけで、そこに冨安選手はうまく乗っかっていると思います。こういうのは川の流れのようなものなので、逆らわずにうまく身を任せるのがいいと思います。

 ただ、そう思っていた矢先に冨安選手が第14節のウルヴァーハンプトン戦で、ケガで離脱というニュースが入ってきました。本当に残念ですね。

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