久保建英、鎌田大地、冨安健洋がベスト16入り CLグループステージを振り返る (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【鎌田、冨安のアジアカップは?】

 試合は2-1でセルティックが接戦をものにしたが、CL本大会で2シーズン続けてグループリーグ最下位という現実を突きつけられると、そこでCLに出場する意義に引っかかりを覚えることも事実なのだ。「今季、日本人のチャンピオンズリーガーは8人を数える!」と胸を張りたくなる気持ちが、いささか萎える。サッカーの可能性という点でも、メンバーを落として試合に敗れたフェイエノールトのほうが勝っていた。

 今季、久々に欧州の表舞台で戦ったフェイエノールトは好チームだった。ELに回ってもやりそうな気配を感じる。問題は1トップを張るサンティアゴ・ヒメネスが冬の移籍市場でチームに残るか否かだ。

 今季ブレイクを果たした22歳のメキシコ代表。国内リーグ、CL合わせて19試合に出場して20ゴールを叩き出しているヒメネスがいる限り、上田綺世の出場機会は増えないと見る。

 3位フェイエノールト、4位セルティックに終わったグループEで、この日、1位と2位を争う恰好となったアトレティコ対ラツィオは、2-0でアトレティコの完勝に終わった。

 ラツィオ所属の鎌田も出場時間が伸びていない。直近のセリエA対ヴェローナ戦では出場なし。その前の2試合も交代出場に終わっている。この日も0-2とリードされた後半19分からの出場だった。

 鎌田自身の問題以上に大きいのが、ラツィオのサッカーそのものだ。昨季のセリエA準優勝チームにしては弱すぎる。3位に終わったフェイエノールトとの直接対決を見ても、内容ではラツィオのほうが劣っていた。現在の国内リーグの成績は10位。そこで鎌田は出場機会に恵まれていないわけだ。移籍は失敗だったと言わざるを得ない。当面は監督交代に期待するしかない。CL決勝トーナメント1回戦は2月14日スタートで、これはアジアカップ決勝のわずか3日後になる。鎌田はアジアカップに出場すべきか否か、難しい状況にある。

 意味合いは異なるが、首位通過を果たしたアーセナルの冨安も好ましくない状況にある。チームはブックメーカー各社から、マンチェスター・シティ、バイエルン、レアル・マドリードに次ぐ4番人気に推されているが、12月2日のウルブス戦でケガをした冨安は、その一員として決勝トーナメントに参加することはできるのか。もしケガが治ったとしてもアジアカップ出場は慎重になるべきではないか。

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