久保建英、セルヒオ・ラモスに引導を渡す 現地紙はチームプレーヤーとして軒並み高評価 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 欲を言えば、トップがサディクでなかったら、もっとコンビネーションは活発になっていただろう。パスのリターンが来ていたはずで(サディクはパワーがあり、スーパーゴールも決めたが、昨シーズンのアレクサンダー・セルロートのようなポストワークはできない)、セルヒオ・ラモスをもっとわかりやすくKOできていただろう。ミケル・オヤルサバルが代わりに入ってからの数分で混乱を与えていたのは、その証左だ。

 久保は1試合1試合、着実に評価を高めている。本人は数字もほしいだろうが、やり抜くことで結果もついてくる。試合を通してやり込められていたセルヒオ・ラモスが、最後は退場を命じられた。

<セルヒオ・ラモスに引導を渡す>

 その抒情的光景に、サッカーの醍醐味があった。

 次の試合は11月29日。チャンピオンズリーグ第5節、レアレ・アレーナでザルツブルク戦だ。

プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。

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