久保建英がずっと上に行く可能性をソシエダのレジェンドが語る「成長は続く」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【タレントがチームのプレースタイルとマッチ】

 今も語り継がれるセンターバックは、日本人の久保をどう表現したのか?

「ディフェンダーだった立場からタケの長所を語るなら、まずは自分のプレーに確信がある点だろう。これは守る側にとっては脅威だよ。迷いがないからね。

 そしてタケはどのような状況でもプレーをキャンセルし、ベストのプレーを選択できる。たとえば彼は左利きだが、右からでも左からでもボールを持ち出せる。プレーを読みきれない。選択肢を絞りにくいから、守る側にとっては骨が折れる(笑)。スピードと同時にテクニックが高く、いろいろなプレーの選択肢があるんだよ。ドリブル、パス、シュート、なんでもござれだ。ひとつひとつのフェイントをとってもクオリティは高い。おそらく、そのタレントがラ・レアルのプレースタイルとマッチして増幅している。だから、これからも期待できる」

 もっとも、対戦相手も久保を研究するようになってきた。それも世界最高水準の守備者たちが、久保を封じるために工夫している。たとえばレアル・マドリードは、後半からフラン・ガルシアが縦を、トニ・クロースが中を切り、行く手を遮った。また、インテルはウイングバック、センターバック、左MFがトライアングルを作って久保を囲んでいた。そこを切り抜けるためには、久保も次のフェーズに入る必要があるのだろう。

「インテルは間違いなく研究し、作戦を練ってきた。タケは今シーズン開幕以来、ずっと好調が続いているし、そこを封じてくるのは当然のことだろう。ただ、それでも相手との駆け引きで、ボールを受けると数的不利でもクロスを合わせていた。インテルのディフェンダーはとても能力が高かったし、タケは今後もそういうバトルを積み重ねていくことだろうね。

 タケはすでにラ・レアルにとって重要な選手だよ。個人的には、少しでも長くラ・レアルでプレーしてほしいけど、このままいけば経済的にもっと裕福なクラブからのオファーが舞い込んでくるだろうね」

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