久保建英は「試合の均衡を崩す。そこでの彼は無敵」ソシエダの伝説的MFがその資質を分析 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【指揮官の思いきりの良さが後押しに】

 逆算すれば、久保が活躍できているわけだから、2人(久保とアルグアシル監督)の関係性はとてもいいということだよ。

 まあ、タケが今見せているレベルを保つことができたら、どんな監督だって先発でプレーさせるはずだよ。日本代表でだって、きっと中心選手としてプレーしているんでしょう? 今のタケを頭から使わないなんて、ちょっと考えられない。それだけのプレーを見せているよ。

 自分に言えることがあるとすれば、イマノルは若手の抜擢に恐れは感じない指揮官という点かな。その思いきりの良さが、タケにとって後押しになったのは間違いない。そして2年目はさらにレベルが上がっている」

 アランブルは、久保に期待を込めるように言った。そこで、かつて中盤に君臨したMFに聞いてみた。

――もし今ラ・レアルの選手だったら、後ろから前線でプレーする久保に対して何を求めますか?

「とりあえず、アドバイスは何もないよ(苦笑)。なぜなら、今のプレーが相当なレベルだから。他はイマノルが修正しているはずだしね。

 今シーズンのタケは右サイドが主戦場になっている。でも、左でも、トップでも、トップ下でもいけるだろう。ポジションに囚われていない。特に攻撃ではひとり際立っている。そしてカウンターの時も、相手ゴールから遠いところからでもアクセルを踏んで、猛烈な勢いで迫っていけるんだ。

 CLでの活躍を楽しみにしているよ。今の状態を持続させるのは簡単ではないし、難しい大会だろう。でも、健闘を祈っているよ」

Profile
ミケル・アランブル
本名ミケル・アランブル・エイサギーレ。1979年、アスペイティア(バスク)生まれのMF。レアル・ソシエダの下部組織出身で1997年、トップチームデビュー。以来、2011~12シーズンを最後に現役引退するまでレアル・ソシエダひと筋を貫いた。

久保建英や鎌田大地、三笘薫など日本人選手の活躍にも期待!
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プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。

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