久保建英の人気を示す「クボマニア」現象 ユニフォームの売上は他選手の2倍 チームのSNSのフォロワーも急増 (3ページ目)

  • ロベルト・ラマホ●取材・文 text by Roberto Ramajo

【スペインでも特別な注目を受けている】

 バルサ戦では、またしても久保が最も注目された選手になっていた。しかしそれはラ・レアルや日本代表のユニフォームを着て、レアレ・アレーナで試合前に写真撮影を楽しむ日本人ファンが大勢いたからだと言っているわけではない。

 彼はサン・セバスティアンですでにスター選手であり、間違いなくサポーターに最も愛されている選手のひとりになっているからだ。

 私たちが「クボマニア」と呼んでいるサン・セバスティアンでの久保現象は、様々な事柄によって裏づけられている。久保はチームで最もメディアの注目を浴び、レアル・ソシエダの国際的な知名度を飛躍的に高めている選手なのだ。

 ジョキン・アペリバイ会長は、「もしタケが退団してここから去るのならば、我々はラ・レアルとラ・リーガのために、新たなタケを見つけなければならない」と最近語っていたが、これだけでも久保のピッチ外における重要性がどれだけ大きいかを物語っていると言っていい。彼の存在はすでにスポーツという枠を超え、今や社会現象となっている。

 すでにスター選手としての地位を確立している久保は、様々な場面で特別な注目を受けており、その逸話のひとつが先日の国王杯での出来事だ。久保は6歳の少年にユニフォームをプレゼントしたお返しとして、ポップコーンをもらった。

 バレンシアの少年はラ・レアルのサポーターではなく久保の大ファンで、その夜はうれしすぎて、そのユニフォームを着て寝たという。

 また、敵地バレンシアの空港に到着した際、先にゲートを出たチームメイトたちは誰も写真やサインを求められなかったが、久保が姿を見せるとその状況が一転した、というエピソードもある。

 久保にとってはサインをしたり、ファンと写真を撮ったりするのは慣れたことだ。レアル・ソシエダのトレーニング施設であるスビエタの入り口には、遠く日本からやって来たファンが必ず2、3人はいて、久保はいつも通りの自然体で接している。

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