レアル・マドリードのベリンガムが「いかに特別であるか」を風間八宏が解説「注目はボールを持った時の幅の広さ」 (2ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

【攻守でボールに触りゴールにも絡める】

 今やラ・リーガを代表するビッグネームに大化けしたベリンガムの活躍について、独自の視点を持つ風間八宏氏はどのように見ているのか。ドルトムント時代からベリンガムを見続けていた風間氏に、レアル・マドリードでの印象を聞いてみた。

「もちろん、ドルトムント時代も良い選手だとは思って見ていましたが、まだ10代でしたので、どこか粗削りでミスも多かった印象がありました。そのなかでレギュラーとして着々と成長をしていましたが、現在のベリンガムの姿は想像していませんでしたね。

 ただ、こういった選手はちょっとしたきっかけがあれば、ほんの数カ月で怪物に進化できる。現在のベリンガムはその典型で、すでにレアル・マドリードの主力と言うより、中心選手になっています。20歳にして、これはすごいことです。

 最近はチームが苦しい時にボールがベリンガムに集まってきますし、大事な局面で最もボールに触っています。試合中にたくさんボールに触るというのは、ゲームをコントロールできる選手ということです。ベリンガムは、守備では自陣で、攻撃では敵陣でボールによく触り、ゴールにも絡める。

 この3つを同時に持ち合わせる選手は、滅多に存在しません。それだけでも、この選手がいかに特別であるかがわかります」

 あっという間にマドリディスタの心を鷲掴みにしたベリンガム。確かにカタールW杯でもイングランド代表の主軸として才能を発揮していたが、現在のようなスペシャル感はまだ持ち合わせていなかった印象だった。

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