久保建英の今季データ検証「ドリブルは半分以上成功」の要因は?「守備は改善の余地」 (3ページ目)

  • ロベルト・ラマホ●文 text by Roberto Ramajo
  • 髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki

【ドリブルの半分以上を成功させている】

 ラ・リーガ得点王争いでジュード・ベリンガム(レアル・マドリード/8ゴール)しか上にいないことを考慮すると、そのパフォーマンスに不満などある訳がないが、さらにデータを深掘りしてみたいと思う。

 最もポジティブな点は、今季ここまでで一番向上している決定力だ。枠内シュートわずか7本で5ゴールを決め、ラ・リーガで最も決定率の高い選手になっている。これはイマノル・アルグアシル監督に常に求められている、「もっと決定的な存在となり、チャンスをものにする」という言葉に耳を傾けた結果だろう。

 久保がレアル・ソシエダ加入時、ドリブルへの自信を失っていると気づいた監督は、最初にその違いを生み出せる能力を存分に発揮できるようにと、積極的に仕掛けるよう要請した。これによって昨季彼が自信を取り戻すと、監督はさらに一歩踏み込み、プレーの精度を高めることを求めた。

 このようにイマノルに自信を与えてもらったおかげで、久保は今、ラ・リーガ屈指の勇猛果敢な選手となっている。さらに、いつ相手と対峙すればいいか、いつパスを出すかを冷静かつ的確に見極めるまでに成長した。

 ここまで19回ドリブルを仕掛け、半分以上の10回成功させている。要するに久保はただ闇雲にドリブルするのではなく、成功できるタイミングを図りながら相手と対峙しているのだ。

 その結果として、ファールを度々受けている。理由はボールをうまく隠す能力と、相手が非常に恐れる予測不可能なフェイントにある。久保はいつも同じドリブルをするのではなく、外にも中にも行くことができる。

 これにより相手DFは久保に逃げられたくない場合、ファールで止めなければならないのだ。これまでファールを11回受け、イエローカードを何度も誘発している。

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