久保建英の今季データ検証「ドリブルは半分以上成功」の要因は?「守備は改善の余地」 (2ページ目)

  • ロベルト・ラマホ●文 text by Roberto Ramajo
  • 髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki

【アウェーではまだ得点できていない】

 しかしこの日の久保のパフォーマンスは、アウェーでの得点力不足を確証するものとなった。これまでに出場した公式戦10試合で決めた5ゴールはすべてホームでのもの。サンティアゴ・ベルナベウ(レアル・マドリード戦)で世界中に轟いたゴールが認められなかったという事実はあるが、敵地ではまだ1度もゴールネットを揺らしていないのだ。

 アトレティコ戦でその新たなチャンスが訪れたが、またもやベストのプレーができなかった。

 敵将ディエゴ・シメオネは試合後、「我々はレアル・ソシエダがサイドにタレントを抱えているのを知っていたし、特に久保を止める必要があった。そのため守備において彼が快適にボールを受けるのを阻止し、前に行くスペースを消すことに重点を置いた。というのも、それをやらせてしまうと彼はラ・リーガでトップクラスの選手だからだ」と説明したように、すべては久保を抑えるために計画されていた。

 シメオネのプランは、久保に対して常に2人で守備をするものだった。これにより久保は全く有利な形でボールを受けられずに抑え込まれた。これは久保が今シーズン築き上げてきたものを物語っている。その巨大な才能と好調ぶりを知る対戦相手から特別な注目を集めているのだ。

 アトレティコ戦で起こったことは単なる偶然ではない。試合を重ねるごとに相手の警戒がいっそう強くなり、シーズン序盤のような輝きを放てなくなっている。

 とはいえ、レアル・ソシエダが公式戦11試合で挙げた20ゴールのうち、4分の1を占める5ゴールを決め、半分の10ゴールに絡む活躍を見せてきた久保に、これ以上多くを求めることはできない。チーム内での彼の影響力は十分すぎるほど証明されている。すべての試合で超一流のプレーを披露するなど不可能だ。

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