菅原由勢が久保建英らとの連係に意欲 右SBが日本代表の力を最大限に増幅させる (4ページ目)

  • 中田 徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Getty Images

【過酷な移動の多いワールドカップ予選をどう戦う?】

 最後に私は、エクセルで作った資料を菅原に見せた。この表を見れば、AZの一員としてどこの国に行き、どのクラブと戦ってきたかがひと目でわかる。その数20カ国・28クラブに及ぶ。

「めっちゃ行っているやん。すげえ」

 CLが欧州の1部リーグなら、ELは2部、UECLは3部にあたる。CLというトップ・オブ・ザ・トップのコンペティションの経験こそないが、マンチェスター・ユナイテッド、ナポリ、ラツィオ、セルティックといったビッグクラブと戦ってきた。

 また、カザフスタン、リヒテンシュタイン、アンドラ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナといった移動に負荷のかかる国に行ったり、サッカーで名の知られた国でも少し施設の劣るような環境での国際試合も経験してきた。

 ワールドカップ・アジア予選は、もっと過酷な移動を伴う。環境は想像もつかない。それでもELやUEELなどで20カ国をまわって試合をこなしてきた経験は、きっとワールドカップの予選で活かされるのではないか?

「移動はしまくっているので、『移動して試合』というのは慣れている。どこに行こうがコンディションに集中したい。環境に左右されることが一番(よくない)。ピッチ状況が悪かろうが、ホテルの環境に問題があっても......」

 その行間に、これまで菅原が口にしてこなかった過酷な旅が想像できる。

「一番はピッチでのパフォーマンス。それがすべてです。タフになるでしょうが、逆にタフで追い込まれたほうが日本人は活躍できると思う。そこは経験を活かしたいです」

プロフィール

  • 中田 徹

    中田 徹 (なかた・とおる)

    スポーツライター。 神奈川県出身。オランダを拠点に、2002年よりサッカーを主に取材。オランダスポーツジャーナリストクラブ会員。

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