菅原由勢が久保建英らとの連係に意欲 右SBが日本代表の力を最大限に増幅させる (2ページ目)

  • 中田 徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Getty Images

【日本代表はサッカー選手としてこのうえない名誉】

「AZはよくも悪くも若いんでね。深く考える選手もいれば、考えてない選手もいるでしょう。しかし、チームとしては次々に試合が来るなか、具体的な改善点を出して『次はどうしていこう』というポジティブな話がある。

 3-0から負けてしまった試合でも『こういう経験は一生に一度、するかしないか。ここから強くなればいい。この経験を無駄にしないように』という話がありました。そして次のズウォレ戦でいい試合をして勝つことができました。

 若い選手たち──僕も含めてそうですが、いろいろな経験をすることが大事です。さまざまな(ネガティブな)感情とともにプレーすることもあるでしょう。それが個人的な状況からくるものなのか、前の試合の出来からくるものなのかわかりませんけれど、それでもチームのためにパフォーマンスを出して勝たないといけません。今はチームとして成熟してきている段階です」

 AZがチームとして"成熟"しつつあることを示したのが、10月8日のオランダリーグ、アヤックス戦だった。

「北ホーラント州ダービー」とも呼ばれる一戦で、ホームのアヤックスがボールを握るなか、AZはしたたかにカウンターからチャンスを作り続け、前半アディショナルタイムと後半立ち上がりにゴールを連取して2-0とした。その後、アヤックスのなりふり構わぬロングボール攻撃に1点を失ったものの、AZは全員が体を張り、時おりカウンターでジャブを打ち、危なげなく2-1で逃げ切った。

 これで2位AZは首位PSVとの勝ち点2差をしっかりキープし、10月の国際マッチウィークに入った。22日間で7試合という過密日程をこなしてきた菅原は、すぐに日本へ向けて飛ぶ。

「(日本に帰る前に)負けると勝つのとでは違う。でも、試合後にすぐに移動し、長時間のフライトと時差があるなか、金曜日(10月13日・カナダ戦/新潟)にすぐ試合もある。いかに100パーセントのコンディションをすぐに作るかというのが大事になります。

 日本代表という立場でいられる喜びと覚悟、誇りを持って戦います。疲れたなんて言い訳にはならない。日本代表はサッカー選手としてこのうえない名誉だと思うので、全身全霊をかけて日本代表のために全精力を注ぎます」

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