久保建英の飛躍にスペインメディアやクラブのレジェンド、アナリストも賛辞「力が急上昇した」 (3ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●文 text by Unai Valverde Ricón
  • 髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki

【得点力を身につけ始めた】

 久保に対する意見はクラブレジェンドにとどまらず、35万人のYouTubeフォロワーを持つ米専門テレビ局『ESPN』のジャーナリスト、ロドリゴ・ファエズ氏にも及んでいる。

「とてつもないクオリティを持った選手だ。私は彼を愛してやまない。そのクオリティやサッカーに対する考え方、記者の前での表現方法など、そのすべてを気に入っている。議論の余地のないタレントだ」

 このように語ったファエズ氏は直近の動画で、先買権を保有するレアル・マドリードへの復帰の可能性を本気で検討していた。

 しかしこれはあくまで、久保が成功するためのすべてを与えてくれたクラブを去りたいと思った場合に限ったことだ。彼自身が最近受けたラ・リーガのインタビューで、「ラ・レアルのおかげで自分の名誉を取り戻し、成功への列車に戻ることができた」と感謝を述べていたが、この発言は将来を占う上で大きなものだろう。

 久保のサッカーを好む人たちが増え続けるなか、選手としての成熟度やスター性についての意見が専門家から相次いでいる。スペインのデジタル紙『エル・コンフィデンシアル』のアルベルト・オルテガ記者は「絶対的な逸材だ。卓越したテクニックと得点を決められるようになるまで磨き上げたシュート力を備え、見るものを夢中にさせるサイドアタッカーだ。日々、ベストプレーヤーになりつつある」と評した。

 スペインのラジオ局『ラジオ・マルカ』のアドリアン・ブランコ記者は、「久保は得点力を身につけ始めている。彼の飛躍は何よりもメンタリティの問題だったし、ラ・レアルのクラック(名選手)だ。そしてベルナベウでのすばらしいプレーは、"すでにラ・リーガ最高の選手のひとり"という我々が彼について知っていたものをあらためて確認させてくれた」とその偉大さを語っていた。

 スペインのラジオ局『カデナ・セル』のブルーノ・アレマニー記者も「ここまでのMVPはジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)だが、それに最も近いところにいるのは久保だ。このシーズン序盤のパフォーマンスは驚異的」と賛辞を送っている。

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