久保建英の飛躍にスペインメディアやクラブのレジェンド、アナリストも賛辞「力が急上昇した」 (2ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●文 text by Unai Valverde Ricón
  • 髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki

【監督、キャプテンからの評価】

 久保は昨季、ゴールやドリブルなどで決定機を生み出し、人目を引く勇敢かつ安定感のあるプレーで、ラ・レアル(レアル・ソシエダの愛称)での初年度を華々しいものにした。序盤はアレクサンデル・セルロート(現ビジャレアル)の傍でセカンドトップを務め、途中から右ウイングにポジションチェンジ。

 イマノル監督は久保について聞かれるたびにはっきりと、「タケはいいプレーをしているが、彼にはより多くを望んでいる」と答えていた。その後、日が経過するとともに指揮官が求める"より多く"という言葉が"数字"であることが明らかになった。すなわちこれは、チャンスメイクし、得点、アシストを記録することを意味していた。

 さらにイマノル監督は今季、シーズン序盤からすばらしいパフォーマンスを発揮している久保について、「彼にはチャンスがあるので、もっと数字を増やさなければいけない」と繰り返し言い続けている。久保はその言葉に従うかのように、ヘタフェ戦で今季の4得点目を記録してみせた。昨季のラ・リーガではこの数字に至るまで21試合かかったことを考慮すると、上々の滑り出しと言えるだろう。

 久保が好プレーを見せた最近の試合を挙げると、レアル・マドリード戦が2試合含まれている(5月2日と9月17日)。この強豪相手に良いプレーをわずか数カ月もの間に2回もやってのけたインパクトは絶大であった。しかもそのうちの1回は難攻不落のサンティアゴ・ベルナベウ(レアル・マドリードのホームスタジアム)であったことはさらに評価を高め、世界中に久保の名前をアピールする結果となった。

 またキャプテンのミケル・オヤルサバルは最近、「ピッチでのタケのレベルは誰もが知っていて、僕たちは幸運にもそれを毎日体験できている。彼は礼儀正しい自然体のすばらしい青年だ。そういった彼のキャラクターはチーム全体の助けになっているし、それは人間的にも技術的にもとても重要なことだ」と言及していた。

 もう誰も久保のパフォーマンスに驚くことはない。紛れもないスターであり、皆が彼の爆発的な力を認めている。かつてラ・レアルの選手としてラ・リーガ王者(1980-81、1981-82シーズン)に輝き、クラブ史上2番目のゴール数記録を持つレジェンド、ロベルト・ロペス・ウファルテ氏は、「久保を私と比較したがる人たちがたくさんいるが、おそらく彼のほうが優れているだろう。1対1に非常に強く、左足のシュートもすばらしい。当時、私が持っていると言われていたものを彼はすべて備えている」とその実力を認めていた。

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