「久保建英を中心に戦っている今季はリスクもある」現地記者がその活躍を絶賛も危惧されることと解決策を語った (2ページ目)

  • ロベルト・ラマホ●文 text by Roberto Ramajo
  • 髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki

【ダビド・シルバの穴を埋めた】

 グラナダ戦での久保のすばらしい活躍は、ダビド・シルバの早期引退という悲しいニュース以降、ラ・レアルにとって久々の朗報であり、さらに彼が一歩前進したことを証明する出来事となった。

 魔法を持つ者同士は国籍に関係なく瞬く間につながるものであり、久保は昨季シルバと特別な関係を築いていた。スビエタ(※レアル・ソシエダの練習場)でロッカールームを共にした1年間で、久保はライン間のプレーを改善し、ラストパスの精度を高めたのだ。またピッチでお互いを探し求め、すばらしいコンビネーションを披露した。

 シルバ引退の影響を受け、久保のパフォーマンスが大幅に低下すると考えた人もいたかもしれないが、実際にはその逆のことが起こった。シルバの抜けた穴を久保は持ち前のイマジネーションとクオリティーの高さで埋めたのだ。

"アルギネギンの魔術師"(※シルバの愛称。アルギネギンはシルバの出身地)の代わりを見つけることなど不可能だが、アタッキングサードで効果的なプレーを生み出す責任を負う選手がラ・レアルには必要だった。そして、その役割を担ったのが久保であり、シルバ引退の影響を受けることなく、とてつもないクオリティーを発揮したのである。

 このようなことがラ・レアルに起こったのは幸運だったと言えるだろう。なぜなら久保の成長がなければ、イマノル・アルグアシル監督率いるチームのラ・リーガのスタートは大きく変わっていただろうから。

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