三笘薫、久保建英、鎌田大地らの活躍で福田正博が実感「日本サッカーのレベルアップ」 (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

【ひと皮むけた久保建英、復活の南野拓実】

 三笘と同じくらい鮮烈な輝きを放っているのが、久保建英だ。レアル・ソシエダ(スペイン)に移籍した昨シーズンに覚醒し、どの試合でも自分の力をしっかり発揮できるようになった。迎えた今シーズンは、さらにひと皮むけた印象を与えている。

 久保がボールを持った時に、ゴールにつながるプレーをしてくれるという期待感が大きいし、チームやサポーターからの信頼も厚く見える。加えて守備面でも強度が十分に通用しているのがすごい。Jリーグからスペインへ移籍した3シーズンは、守備面の課題を指摘されていたが、そこで取り組んだことが昨季花開き、今季はさらにそれが高まったように感じている。

 それほど久保は、試合のなかで"違い"をつくりだしている。ケガなく今シーズンを終えた時には、さらなるステップアップが現実味を帯びてくるだろう。

 今回のドイツ戦、トルコ戦の日本代表メンバーからは漏れてしまったが、開幕から圧倒的な存在感を示している南野拓美にも触れたい。モナコ(フランス)移籍1シーズン目となった昨季は、リーグ戦18試合で1得点と寂しい結果に終わり、カタールW杯の日本代表でも主力の立ち位置からは外れた。悔しいシーズンを送っただけに、今シーズンはどうかと心配していたが、そんな心配を開幕から結果で吹き飛ばしてくれた。

 開幕4試合で3ゴール3アシスト。ようやく南野らしい活躍ができたことに、本人も自信を深めているだろうし、今シーズンへの大きな手応えを感じていると思う。まだ28歳で、いまの力をここから維持していければ、当然ながら日本代表復帰は視野に入ってくる。

 森保一監督にすれば南野の実力はすでに織り込み済み。監督のこれまでのチームマネジメントからすれば、新たな選手を使いながら新しいチームへと移行しつつも、必要な時はタイミングを見計らって主力を務めてきた選手を招集するだろう。南野にもそのタイミングは必ず訪れるだけに、その時にしっかりと存在感を放ってもらいたい。

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