三笘薫のブライトンは最激戦組に アヤックスとの「ウイング合戦」はEL最大の見もの (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by AFLO

【遠藤航の出場機会は増えるはず】

 南野拓実が在籍していた時にはなかった緩い環境である。とりわけELのグループステージには、CLのようにベストメンバーを送り込む必然性がない。

 ユルゲン・クロップ監督の現在の遠藤への評価がどれほどなのか定かではないが、そのELでの出場機会は増えると思われる。南野より有利だろう。遠藤には、皮肉にも昨季のリバプールの不振(プレミア5位)が幸いしている。

 30歳にして初めて欧州のコンペティションに出場する遠藤と、8シーズンぶりにELの舞台を戦うリバプール。遠藤の2階級特進ぶりをそこに見ることができる。

 一方、町田が所属するサン・ジロワーズは、2年連続のEL出場だ。しかし町田の出場歴は1試合のみ。昨季の準々決勝レバークーゼン戦のセカンドレグに限られる。国内リーグでスタメンを続ける今季は楽しみである。リバプール戦はまさにキャリアハイとなる一戦になる。

初めてのヨーロッパリーグに挑む三笘薫(ブライトン)初めてのヨーロッパリーグに挑む三笘薫(ブライトン)この記事に関連する写真を見る 三笘薫所属のブライトンは、ブックメーカーによればリバプール、ローマ、ビジャレアル、レバークーゼンに次ぐ5番人気を誇る。つまり、グループBでライバルとなるアヤックス、マルセイユより力は上と見られている。欧州のコンペティションに初めて出場するチームが、これほどの評価を得た過去はあっただろうか。プレミア6位は欧州内でどれほどなのか。32チーム中5番人気という下馬評に、その位置づけの高さが見て取れる。

 とはいえ、このB組は全8組の中で1番の激戦区だ。2位チームはCLのグループステージで3位になったチームと、ベスト16入りを懸けたプレーオフを戦わなければならないレギュレーションも輪を掛ける。2位では危ないのである。

 最も興味深い試合はやはり、サッカーのコンセプトが一致するアヤックス戦になる。両ウイングを使った深みのある攻撃。ブライトンの左ウイング三笘に、アヤックスファンが大層なシンパシーを抱いても不思議はない。アヤックス出身のかつての名ウイング、マルク・オーフェルマルスをイメージする人もいるだろう。アヤックスが金満クラブなら、三笘はすぐにでもほしい選手に違いない。

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