遠藤航はリバプールで何をすべきか 出場機会増のために必要なこと (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by AFLO

【その成否は日本代表にも影響】

 オーストリアの上位クラブであるザルツブルクとブンデスリーガ中位のシュツットガルトを比較すれば、いい勝負に見えるが、南野にはCLに出場した実績があった。リバプールと直接対決した際、ユルゲン・クロップ監督の目の前でいいプレーを披露したことで、声をかけられたという経緯がある。

 移籍でジャンプアップした幅の広さは以下のような順になる。香川<南野<遠藤。

 1999-2000シーズンにペルージャからローマに移籍した中田英寿も特進したひとりである。しかし香川、南野と同様、中田もその後、苦労することになった。高額に膨らんだ移籍金は、引退を早めた一因となったのではないかともいわれる。遠藤の場合はどうなのか。その成功、不成功は日本代表にも少なからず影響が及ぶ。

 8月19日に行なわれたボーンマス戦。アンカーとして先発したアレクシス・マック・アリスター(アルゼンチン代表)がレッドカードで退場処分になったため、遠藤は後半17分、インサイドハーフのコーディ・ガクポ(オランダ代表、)と交代でピッチに登場した。4-3-3から4-4-1へと変わった布陣上で、遠藤はボランチというよりセントラルMF的にプレーした。

 ボール奪取を鮮やかに決める遠藤らしいプレーを披露する一方で、相手のガーナ代表右ウイング、アントワーヌ・セメンヨに縦突破を許し、あわやというピンチも招いている。楽観的にも悲観的にもなれない、10段階の採点で言えば6前後のプレーぶりだった。

 今季、リバプールは、ジョーダン・ヘンダーソン(イングランド代表)、ファビーニョ(ブラジル代表)がサウジアラビアへ渡り、ジェイムズ・ミルナー(イングランド代表)もブライトンへ移籍した。後ろ目のMF陣が手薄になっていた。そこでリバプールはまずブライトンからマック・アリスターを獲得。さらにブライトンのモイセス・カイセド(エクアドル代表)、サウサンプトンのロメオ・ラヴィア(ベルギー代表)らの獲得を狙うも、両者ともチェルシーに奪われてしまう。それが遠藤に白羽の矢が立った理由とされる。

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