鎌田大地が得たチームメイトからの信頼 ラツィオ番記者が明かす開幕直前の日々 (3ページ目)

  • フランチェスコ・ピエトレッラ●文 text by Francesco Pietrella
  • 利根川晶子●訳 translation by Tonegawa Akiko

【イタリア語の習得も開始】

 チームの今シーズンの目標は、リーグでは昨年の準優勝をキープ、もしくは上位4チームに入ること、そしてCLでは決勝トーナメントに出場することになる。CLの目標は2021年、シモーネ・インザーギ監督時代にたどり着いたが、惜しくもバイエルン・ミュンヘンに敗れてしまった。しかし今回のチームは2年前よりも選手がそろっている。当時よりも上を狙うことも不可能ではない。

 鎌田のイタリア語だが、習得に多少、時間がかかるのは仕方がないだろう。今のところチームメイトとは主に英語でコミュニケーションをとっているが、チームはすでに個人レッスンのイタリア語教師を彼につけている。ただ、ピッチで重要な言葉はすでに覚えたようだ。「passa(パス)」「 calcia(蹴ろ)」「copri(カバーしろ)」「accorcia(縮めろ)」「Sali(上がれ)」......。おかげでチームメイトとの息も合ってきているように見える。

 チーロ・インモービレは彼のアシストを待っている。インモービレはリオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを抑えて、2020年にゴールデンブーツ(シーズン最多得点)を勝ち取っている。ラツィオではこれまで196ゴールを決めており、セリエAでは歴代8位のゴールゲッターだ。7位のロベルト・バッジョの持つ記録からたった9ゴール少ないだけ。鎌田の役割はとても重要だ。

 8月17日、鎌田は初めてラツィオの公式チャンネルに出場した。

「僕がラツィオを選んだのは、ここでならもっとサッカー選手として成長できると確信したからです。背番号8としても、インサイドハーフとしても、サイドハーフとしても、よりよいプレーをしていきたいです。ロティート会長と監督は僕をほしがってくれたし、CLでもプレーしたくてここに来ました。最高の選択をしたと思っているし、チームメイトから多くのことを学びたいです。またセリエAは日本でとても人気です。多くの日本人選手がここでプレーしてきました。セリエAとラツィオのすばらしさをすべての日本の人に伝えたいです」

 ラツィアーレはすでに彼のことを気に入っている。あとはピッチでその力を証明するだけだ。

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