久保建英の今季の最適ポジションは? プレシーズンマッチで「格の違い」を見せている (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Getty Images

【アトレティコ戦はインサイドハーフで起用】

 おそらく現状では右アタッカーがファーストオプションなのだろう。実際、スポルティング戦もベティス戦も、チームベストプレーの出来だった。カットインからの攻撃の迫力や多様性は捨てがたい。

 ただし、トップ下に近いインサイドハーフもひとつのオプションになってくるはずだ。実際、守備を固めたアトレティコを相手に、久保はうまく中盤でボールを引き出していた。39分には2人、3人と敵を外し、ボールを運ぶと、そこからのクロス、ボレー、突破からあわやハンドでPKという波状攻撃の起点になった。57分にも、自陣で背中を狙った相手を食いつかせてからのターンで、一気にカウンターで持ち込み、リターンが来ていたら決定機、という場面を作った。

 ベストポジションは、他の選手との組み合わせ次第でたどり着く形になる。

 ダビド・シルバが健在だったら、4-4-2中盤ダイヤモンド型のトップの一角がベストポジションだった。しかし、それは望めない。ダビド・シルバに代わるトップ下探しは苦労するだろう。クラブはマンチェスター・ユナイテッドのオランダ代表ドニー・ファン・デ・ベークに触手を伸ばし、ファンタジスタ獲得を諦めていないようだが。

 個人的には、久保をダビド・シルバの後継者に推したい。

 4-4-2の中盤ダイヤモンドで久保がトップ下という形は、十分に魅力的である。そもそも他の選手がラ・レアルのプレーにフィットするか、疑問である。創造性、機動力、コンビネーション力で最もダビド・シルバに近いのは、同じ左利きで昨シーズンは薫陶も受けた久保だろう。昨シーズン、ダビド・シルバ不在時にリーダーシップを発揮したのも、日本人アタッカーだったはずだ。

 たとえばトップ下の久保が、2トップのスペイン代表ミケル・オヤルサバル、ナイジェリア代表ウマル・サディク、もしくは新たにライプツィヒから獲得したポルトガル代表FWアンドレ・シルバを操る。中盤は昨年と同じく、スペイン代表ミケル・メリーノ、メンデス、マルティン・スビメンディ。他にフランス代表チョを筆頭に、アンデル・バレネチェア、ロベルト・ナバーロは有力なオプションだ。

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